“或年”の読み方と例文
読み方割合
あるとし100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
三八さんぱちといへる百姓は一人ひとりの母につかへて、至孝ならぶものなかりける。或年あるとし霜月しもつき下旬の頃、母たけのこしよくたきよしのぞみける。
案頭の書 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
三社祭さんじやまつりをりいと或年あるとし踊屋台をどりやたいへ出て道成寺だうじやうじを踊つた。町内一同で毎年まいとし汐干狩しほひがりく船の上でもおいとはよく踊つた。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
或年あるとしの住僧此塔の出たる時天を拝していのる、我法華ほつけ千部読経どくきやうぐわんあり、今一年にしてみてり、何とぞ命を今一年のばし玉へと念じて、かの塔を川中のふちなげこみたり。