トップ
>
或年
>
あるとし
ふりがな文庫
“
或年
(
あるとし
)” の例文
三八
(
さんぱち
)
といへる百姓は
一人
(
ひとり
)
の母につかへて、至孝ならぶものなかりける。
或年
(
あるとし
)
の
霜月
(
しもつき
)
下旬の頃、母
筍
(
たけのこ
)
を
食
(
しよく
)
し
度
(
たき
)
由
(
よし
)
のぞみける。
案頭の書
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
三社祭
(
さんじやまつり
)
の
折
(
をり
)
お
糸
(
いと
)
は
或年
(
あるとし
)
踊屋台
(
をどりやたい
)
へ出て
道成寺
(
だうじやうじ
)
を踊つた。町内一同で
毎年
(
まいとし
)
汐干狩
(
しほひがり
)
に
行
(
ゆ
)
く船の上でもお
糸
(
いと
)
はよく踊つた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
或年
(
あるとし
)
の住僧此塔の出たる時天を拝していのる、我
法華
(
ほつけ
)
千部
読経
(
どくきやう
)
の
願
(
ぐわん
)
あり、今一年にして
満
(
みて
)
り、何とぞ命を今一年
延
(
のば
)
し玉へと念じて、かの塔を川中の
淵
(
ふち
)
に
投
(
なげ
)
こみたり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
島根県の西部海上、
石見
(
いわみ
)
高島の鼠の話が、
本居
(
もとおり
)
先生の『
玉勝間
(
たまかつま
)
』巻七に出ている。
此
(
この
)
島鼠多く、人をも害することあり、
或年
(
あるとし
)
浜田より人を
遣
(
つか
)
わし駆除せしめらるるも
効
(
こう
)
無
(
な
)
しとある。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
其
(
それ
)
と
同
(
おな
)
じに
日本国中
(
にほんこくちゆう
)
、
何処
(
どこ
)
ともなう、
或年
(
あるとし
)
或月
(
あるつき
)
或日
(
あるひ
)
に、
其
(
そ
)
の
人
(
ひと
)
が
行逢
(
ゆきあ
)
はす、
山
(
やま
)
にも
野
(
の
)
にも、
水
(
みづ
)
にも
樹
(
き
)
にも、
草
(
くさ
)
にも
石
(
いし
)
にも、
橋
(
はし
)
にも
家
(
いへ
)
にも、
前
(
まへ
)
から
定
(
さだ
)
まる
運
(
うん
)
があつて、
花
(
はな
)
ならば、
花
(
はな
)
、
蝶
(
てふ
)
ならば、
蝶
(
てふ
)
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
或年
(
あるとし
)
の冬休み、私は友人の
林一郎
(
はやしいちろう
)
から一通の招待状を受け取った。
火縄銃
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
して
取續
(
とりつゞ
)
き
居
(
ゐ
)
たれども
或年
(
あるとし
)
三月
節句
(
せつく
)
前金二十兩不足にて
勘定
(
かんぢやう
)
立
(
たゝ
)
ざれば是非なく向ふの加賀屋へ
到
(
いた
)
り
亭主
(
ていしゆ
)
に
逢
(
あひ
)
て此節句前二十兩不足ゆゑ
問屋
(
とひや
)
の
拂
(
はら
)
ひ
行屆
(
ゆきとゞか
)
ざるに付何卒節句過まで金子借用致し
度
(
たき
)
旨
(
むね
)
只管
(
ひたすら
)
頼
(
たの
)
みければ此四郎右衞門は
情有者
(
なさけあるもの
)
にて夫は
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
或年
(
あるとし
)
の住僧此塔の出たる時天を拝していのる、我
法華
(
ほつけ
)
千部
読経
(
どくきやう
)
の
願
(
ぐわん
)
あり、今一年にして
満
(
みて
)
り、何とぞ命を今一年
延
(
のば
)
し玉へと念じて、かの塔を川中の
淵
(
ふち
)
に
投
(
なげ
)
こみたり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
何かにつけて
亜米利加
(
アメリカ
)
に関することが胸底に往来する折からでもあろう。
不図
(
ふと
)
わたくしは、
或年
(
あるとし
)
の春、麻布広尾なる光林寺の後丘に米国通訳官ヒュースケンの墳墓をたずねたことを思出した。
墓畔の梅
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
或
漢検準1級
部首:⼽
8画
年
常用漢字
小1
部首:⼲
6画
“或”で始まる語句
或
或日
或時
或人
或夜
或物
或者
或家
或晩
或朝