“或晩”の読み方と例文
読み方割合
あるばん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
慶三は或晩あるばんそよとの風さえない暑さに二階の電気を消して表の縁側は勿論もちろん裏の下地窓をも明放ちお千代と蚊帳の中に寝ていた時
夏すがた (新字新仮名) / 永井荷風(著)
伴藏は懶惰なまけものにて内職もせず、おみねは独りで内職をいたし、毎晩八ツ九ツまで夜延よなべをいたしていましたが、或晩あるばんの事しぼりだらけの蚊帳かや
虐待ぎやくたいはずゐぶんひどいやうです。或晩あるばんなぞ、鉄瓶てつびん煮湯にえゆをぶつかけて、くびのあたりへ火焦やけどをさしたんでせう。さすがにおどろいて、わたしのところへやつてたんです。
彼女の周囲 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)