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或晩
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あるばん
ふりがな文庫
“
或晩
(
あるばん
)” の例文
慶三は
或晩
(
あるばん
)
そよとの風さえない暑さに二階の電気を消して表の縁側は
勿論
(
もちろん
)
裏の下地窓をも明放ちお千代と蚊帳の中に寝ていた時
夏すがた
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
伴藏は
懶惰
(
なまけ
)
ものにて内職もせず、おみねは独りで内職をいたし、毎晩八ツ九ツまで
夜延
(
よなべ
)
をいたしていましたが、
或晩
(
あるばん
)
の事
絞
(
しぼ
)
りだらけの
蚊帳
(
かや
)
を
吊
(
つ
)
り
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
虐待
(
ぎやくたい
)
はずゐぶん
酷
(
ひど
)
いやうです。
或晩
(
あるばん
)
なぞ、
鉄瓶
(
てつびん
)
の
煮湯
(
にえゆ
)
をぶつかけて、
首
(
くび
)
のあたりへ
火焦
(
やけど
)
をさしたんでせう。さすがに
驚
(
おどろ
)
いて、
私
(
わたし
)
のところへやつて
来
(
き
)
たんです。
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
お君はその後二、三度尋ねて来て、わたしが気をもむのもかまわず、
或晩
(
あるばん
)
とまって、
翌朝
(
あくるあさ
)
もお午頃まで居てくれた事がありましたが、それなりけり。
あぢさゐ
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
加之
(
それに
)
用心深
(
ようじんぶか
)
い
其神経
(
そのしんけい
)
は、
何時
(
いつ
)
彼
(
か
)
の
背負揚
(
しよいあげ
)
を
見
(
み
)
て、
手紙
(
てがみ
)
に
触
(
さは
)
つた
私
(
わたし
)
の
手
(
て
)
の
匂
(
にほひ
)
を
嚊
(
か
)
ぎつけ、
或晩
(
あるばん
)
妻
(
つま
)
が
湯
(
ゆ
)
に
入
(
い
)
つた
留守
(
るす
)
に、
私
(
そつ
)
と
背負揚
(
しよいあげ
)
を
出
(
だ
)
して
見
(
み
)
ると、
手紙
(
てがみ
)
はもう
中
(
なか
)
には
無
(
なか
)
つた。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
或晩
(
あるばん
)
竜子は母と一緒に
有楽座
(
ゆうらくざ
)
へ
長唄
(
ながうた
)
研精会の演奏を聞きに行った時廊下の
人込
(
ひとごみ
)
の中で岸山先生を見掛けた。岸山先生は始めて診察に来た時の
無愛想
(
ぶあいそ
)
な態度とはちがって
鄭寧
(
ていねい
)
に
挨拶
(
あいさつ
)
をした。
寐顔
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
或
漢検準1級
部首:⼽
8画
晩
常用漢字
小6
部首:⽇
12画
“或”で始まる語句
或
或日
或時
或人
或夜
或物
或者
或年
或家
或朝