“あるとし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
或年50.0%
一年27.8%
某年16.7%
或歳5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
三社祭さんじやまつりをりいと或年あるとし踊屋台をどりやたいへ出て道成寺だうじやうじを踊つた。町内一同で毎年まいとし汐干狩しほひがりく船の上でもおいとはよく踊つた。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
一年あるとし、激しい旱魃のあつた眞夏、女優村井紫玉を主とした新劇團が、北陸の都で興行して、人氣を博した時の事である。美しい女優は人目を避けて市中の見物に出た。
それは某年あるとしの秋のこと、新三郎の家では例によって新三郎が旅に出かけて往ったので、女房のお滝は一人児の新一と仲働の老婆を対手に留守居をしていた。
狐の手帳 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
故に黒田の殿様が江戸出府しゅっぷあるいは帰国の時に大阪を通行する時分には、先生は屹度きっと中ノ嶋なかのしまの筑前屋敷に伺候しこうして御機嫌ごきげんを伺うと云う常例であった。或歳あるとし、安政三年か四年と思う。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)