“某年”の読み方と例文
読み方割合
あるとし100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
某年あるとしの晩秋のゆうべのことであった。いつものように渋茶をすすりながら句作にふけっていた庄造が、ふと見ると窓の障子へ怪しい物の影が映っていた。
狸と俳人 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
それは某年あるとしの秋のこと、新三郎の家では例によって新三郎が旅に出かけて往ったので、女房のお滝は一人児の新一と仲働の老婆を対手に留守居をしていた。
狐の手帳 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
その来宮様のいた処は、今の静岡県しずおかけん加茂郡かもごおり下河津村しもかわづむら谷津やづであった。某年あるとしの十二月二十日ごろ、私は伊豆いず下田しもだへ遊びに往ったついでに、その谷津へ往ったことがあった。
火傷した神様 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)