“軒毎”の読み方と例文
読み方割合
のきごと100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
此の間も麻布あざぶ骨董屋こっとうやをひやかしに出掛けた帰りに、人の家をひやかして来た。一寸ちょっと眼に附く家を軒毎のきごとのぞき込んで一々点数を附けて見た。
軒毎のきごとに立たせて、物を売らせるのや、まだ四つか、五つの子供を地面じべたに坐らせて、通る人々に頭を下げさして、ぜにわしめるのなどを、私は、見る時に、血が逆上する。
子供は虐待に黙従す (新字新仮名) / 小川未明(著)
家々の小さなともしびが、しづかに晩秋の夕べをともると、軒毎のきごとにある人間苦が、覗かれる氣がする。
折々の記 (旧字旧仮名) / 吉川英治(著)