あかり)” の例文
あかりはつけてもいいのでございますけれど、わたくしはあなた様のお越しの日を見越していて、わざと燭ははぶいておりました。
花桐 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
晩になって竇は、へやあかりを消して、また彼の夢のことを思ったが、夢の国の路は遠くていくことができなかった。竇はただ悔み歎くのみであった。
蓮花公主 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
陣中用の小硯こすずりと小さいあかりを机におき、深更まで何か筆をとっていたのである。外は暗い霧で、この夜も敵味方の声が海鳴りのように遠くでしていた。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
朱は急いで起きて往って内へ入れ、あかりを点けた。見ると陸のふところには何か物が入っていた。
陸判 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
あかりが映つて、透徹すきとおつて、いつかの、あの時、夕日の色に輝いて、ちょうど東の空に立つたにじの、其の虹の目のやうだと云つて、薄雲うすぐもかざして御覧なすつた、奥様の白い手の細い指には重さうな
紅玉 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「ああ、いい月だこと。今夜はあかりもいりませんわねえ。こんなたのしい晩ってないわ」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あかりが映って、透徹すきとおって、いつかの、あの時、夕日の色に輝いて、ちょうど東の空に立ったにじの、その虹の目のようだと云って、薄雲にかざして御覧なすった、奥様の白い手の細い指には重そうな
紅玉 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「ただ今、あかりともします。お待ちください」
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「じゃああかりで見るせいだろうか、」
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「ちょいとあかりを見せておくれ。」
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)