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皐月
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さつき
ふりがな文庫
“
皐月
(
さつき
)” の例文
(高松のお藤さん)(長江のお園さん、お
光
(
みつ
)
さん)
医師
(
いしゃ
)
の娘が三人揃って、(百合さん)(
婦美
(
ふみ
)
さん)(
皐月
(
さつき
)
さん)歯を染めたのでは
菊あわせ
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
□安田
皐月
(
さつき
)
さんが
白山
(
はくさん
)
前町三八に水菓子店を開業なさいました。皐月さんの愛嬌がいゝ為めか繁昌してゐます。果物もたいへん結構です。
編輯室より:(一九一四年一一月号)
(新字旧仮名)
/
伊藤野枝
(著)
江戸ツ子は
皐月
(
さつき
)
の鯉の吹き流しなどと、得意になつてゐた一部もあるが、サラリとしたそのうらに、噛みしめた細かいキメはもつてゐる。
凡愚姐御考
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
美佐子は縁側に坐布団を敷いて一方の手で足の小指の股を割りながら、煙草を持った方を延ばして
皐月
(
さつき
)
の咲いている庭の面へ灰を落した。
蓼喰う虫
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
さゝやかなる築山には
皐月
(
さつき
)
が群生してゐて早夏真紅の花を燃やし、松の根方の八重山吹はまた暮春黄色い花を朽井戸の底深くへと散込ませた。
異版 浅草灯籠
(新字旧仮名)
/
正岡容
(著)
▼ もっと見る
あくる朝はいわゆる
皐月
(
さつき
)
晴れで、江戸の空は蒼々と晴れ渡っていた。朝の六ツ半(午前七時)頃に松吉が誘いに来たので、半七は連れ立って出た。
半七捕物帳:52 妖狐伝
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
それでも、
中務省
(
なかつかさしょう
)
の
陰陽寮
(
おんようりょう
)
から出たお話だとすれば、きっとまた何か悪いことが起るに違いないわ。
物忌
(
ものいみ
)
を
怠
(
おこた
)
れば、
皐月
(
さつき
)
と云う月にはきまってわざわいが現れるのですもの。
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
鐘に
桜花
(
さくら
)
の散る
弥生
(
やよい
)
、青葉若葉の
皐月
(
さつき
)
も過ぎて鰹の走る梅雨晴れ時、夏に入って夏も老い、九月も今日で十三日という声を聞いては、永いようで短いのが
蜉蝣
(
かげろう
)
の命と暑さ盛り
釘抜藤吉捕物覚書:05 お茶漬音頭
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
エヽ
猿若座
(
さるわかざ
)
の
開業式
(
かいげふしき
)
でことふきのとう、二十四
孝
(
かう
)
の
竹
(
たけ
)
の
子
(
こ
)
、
山門
(
さんもん
)
五三のきぼしり、
薄
(
うす
)
ゆきの三
人
(
にん
)
わらび、
太
(
たい
)
十の
皐月
(
さつき
)
、
政右衛門
(
まさゑもん
)
のたゝみいわし、なぞト
云
(
い
)
ふところでございます。
狂言の買冠
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そこの
皐月
(
さつき
)
と看板の出た
粋
(
いき
)
茶屋らしい一軒へ、吸われるようにはいっていきましたので、伝六、辰はいうまでもないこと、名人もいささかあっけにとられた形でしたが、しかし
右門捕物帖:18 明月一夜騒動
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
戀
(
こひ
)
しいお
人
(
ひと
)
、さよなら!
此
(
この
)
戀
(
こひ
)
の
莟
(
つぼみ
)
は、
皐月
(
さつき
)
の
風
(
かぜ
)
に
育
(
そだ
)
てられて、
又
(
また
)
逢
(
あ
)
ふまでには
美
(
うつく
)
しう
咲
(
さ
)
くであらう。さよなら/\! お
前
(
まへ
)
の
胸
(
むね
)
にも
予
(
わし
)
の
胸
(
むね
)
にも、なつかしい
安息
(
あんそく
)
の
宿
(
やど
)
りますやう!
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
道のあちらこちらにはパル(匂いある黄色の
皐月
(
さつき
)
花)、スル(同じ
赤皐月
(
あかさつき
)
)その他いろいろの草花に
雫
(
しずく
)
の溜って居る様は、あたかも
璧
(
たま
)
を山間に連ねたかのごとくに見えて居ります。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
今は早や凝つた形の雲とては見わけもつかず、一樣に露けく
潤
(
うる
)
んだ
皐月
(
さつき
)
の空の朧ろの果てが、言ふやうもなく
可懷
(
なつか
)
しい。次いでやや暫くの間、死んだやうな沈默がこの室内に續いてゐた。
一家
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
己
(
おのれ
)
の妹に仕立てたる武智の姫君
皐月
(
さつき
)
を人質にとられしため力及ばず「武智の姫は
汝
(
なんじ
)
の娘のつもりにて尼になす」と云ふ淀の方の言葉をきき「思ひおく事更になし」と、
乍
(
たちま
)
ち覚悟して自殺す。
両座の「山門」評
(新字旧仮名)
/
三木竹二
(著)
余
安
(
いずくん
)
ゾ欣然トシテコレニ叙セザルヲ得ンヤ。嘉永辛亥
皐月
(
さつき
)
江戸枕山大沼厚撰。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
そこには
躑躅
(
つつじ
)
が咲き残り、
皐月
(
さつき
)
が咲き、胸毛の白い小鳥は
嫩葉
(
わかば
)
の陰で
囀
(
さえず
)
っていた。そして、松や楢にからまりついた藤は枝から枝へ
蔓
(
つる
)
を張って、それからは
天神
(
てんじん
)
の
瓔珞
(
やぐら
)
のような
花房
(
はなぶさ
)
を垂れていた。
藤の瓔珞
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
述
(
のべ
)
次に御
六
(
むつ
)
か
敷
(
しく
)
とも御母公へ伺ひ度儀あり此廿二三
年
(
ねん
)
以前
(
いぜん
)
に御召使ひの女中に澤の井と申者候ひしやと
尋
(
たづね
)
らるゝに母公答て私し共紀州表に
住居
(
ぢうきよ
)
致し候節召使の女も五六人
宛
(
づつ
)
置候が澤の井
瀧津
(
たきつ
)
皐月
(
さつき
)
と申す名は
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
中川の
皐月
(
さつき
)
の水に人似たりかたればむ
源氏物語:02 帚木
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
つゝじ散り
皐月
(
さつき
)
つゝじはまだの頃
七百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
さはあれ
皐月
(
さつき
)
さかりの
裝
(
よそほ
)
ひ
棄
(
す
)
て
春鳥集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
野の
皐月
(
さつき
)
、空ものどかに
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
皐月
(
さつき
)
なかばの晴れた日に
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
皐月
(
さつき
)
の野邊と眺め見よ
藤村詩抄:島崎藤村自選
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
皐月
(
さつき
)
照れ照れ
別後
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
□平塚さんは十二月号の安田
皐月
(
さつき
)
さんの『生きることゝ貞操と』を読んで考へついたことがあるし
生田花世
(
いくたはなよ
)
さんについて何時も考へてゐたこともあるから
編輯室より:(一九一五年一月号)
(新字旧仮名)
/
伊藤野枝
(著)
爰
(
こゝ
)
に
宇治拾遺物語
(
うぢしふゐものがたり
)
と
云
(
い
)
へるは、
大納言隆国卿
(
だいなごんたかくにきやう
)
皐月
(
さつき
)
より
葉月
(
はづき
)
まで
平等院
(
びやうどうゐん
)
一切経
(
いつさいきやう
)
の
山際
(
やまぎは
)
南泉坊
(
なんせんばう
)
に
籠
(
こも
)
りたまひ、あふさきるさの者のはなし、高き
賤
(
いや
)
しきを
云
(
い
)
はず、話に
従
(
したが
)
ひ
大
(
おほ
)
きなる
草紙
(
さうし
)
に書かれけり
落語の濫觴
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
どこからか一羽の
蝶
(
ちょう
)
が来て、ひらひらと
皐月
(
さつき
)
の花の上を飛んで往った。
藤の瓔珞
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
ああ
皐月
(
さつき
)
、——雲の
麝香
(
じやかう
)
よ
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
皐月
(
さつき
)
上旬でありました。
雪霊記事
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
しづかなる
皐月
(
さつき
)
の真昼
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
皐月
(
さつき
)
照れ照れ
枯草
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
皐月
(
さつき
)
上旬
(
じやうじゆん
)
でありました。
雪霊記事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
皐月
(
さつき
)
風なく日は
蒸
(
む
)
しぬ
草わかば
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
あはれ、
皐月
(
さつき
)
の
軟風
(
なよかぜ
)
に
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
皐月
(
さつき
)
にこもり、刻々の
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
日は
皐月
(
さつき
)
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
皐月
(
さつき
)
の空のもと。
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
皐
漢検準1級
部首:⽩
11画
月
常用漢字
小1
部首:⽉
4画
“皐月”で始まる語句
皐月雨
皐月闇
皐月野
皐月御殿
皐月晴上野朝風