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先程
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さつき
ふりがな文庫
“
先程
(
さつき
)” の例文
実は、それが
先程
(
さつき
)
から一番気がゝりでならなかつたんだ。それが云ひ出せなかつたので、他のことを喋舌つてゐたんだ、苦々しく。
素書
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
「あの……
先程
(
さつき
)
、若旦那様とご一緒に、自転車で
戸山
(
とやま
)
ヶ
原
(
はら
)
を一と廻りするんだつて、出かけたやうでございます」
双面神
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
それから、言ふのを忘れたが、……
先程
(
さつき
)
此処に来る時、あの森の傍で、がさ/\音が
為
(
す
)
るから、何かと思つて、よく見ると、あの娘つ子め、何かまご/\捜して居る。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
「まあ、いゝ氣持ちだこと!——
先程
(
さつき
)
の
咳
(
せき
)
の
發作
(
ほつさ
)
で少し疲れたわ。何だか眠れさうよ、でも行つてしまつては厭よ、ジエィン。私、あなたに側にゐてもらひたいの。」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
鶴と大ちやんは花の下で
先程
(
さつき
)
から活躍を続けてゐたのであつたが、あまり海棠の花が酣なので樽野は彼等の姿を見失つてゐたのである。
鶴がゐた家
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
▼ もっと見る
「僕も二時から起される訳になつて居るんだが」と言つて、急に言葉を変へて、「それから、
先程
(
さつき
)
聞くと、昼間あの娘つ子が
喞筒
(
ポンプ
)
の稽古を見て居たと言ふが、それア、本当かね」
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
純吉は、
先程
(
さつき
)
から湯槽に仰向けに浸つて、悠々と胸を拡く延しながら、ぼんやりとその小さな陽を眺めてゐた。——快い朝だ、と彼は沁々と思つた。
明るく・暗く
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
「若し差支へがなかつたなら少し教へてやつておくれな。
先程
(
さつき
)
から待つてゐたんですから。」と母に云はれた私は
嘆きの孔雀
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
そして、だんだんに彼の
先程
(
さつき
)
の所謂「愚かさ」が解り、哀れな人と為りに同情出来るやうな心持になつた。
夏ちかきころ
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
こんなに待たされるくらゐならば、
先程
(
さつき
)
皆と一緒に行けばよかつた。僕だつて何も無理に叔父と一緒に遊びに行き度いのではない、約束をしたから待つてゐたのだ。
疳の虫
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
「それにしても、好くも似た風習が此処にもあると思つて、
先程
(
さつき
)
から感心してゐたところなのよ。」
南風譜
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
御覧よ、あそこへ出て行くのは七郎丸と鱗丸だぜ、君に気づいて
先程
(
さつき
)
から何か
切
(
しき
)
りに手を振つてゐたが君が上ばかり向いてゐる間に、もう声がとゞかぬ処へ出ちやつた。
円卓子での話
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
若しかすると自分も
先程
(
さつき
)
は彼と似たやうな芝居を演じてゐたのかも知れない——斯んなに群衆の出入が夥しく、凡そ足跡の絶間は十秒の間もなさゝうに思へるのであるが
日本橋
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
母は綾子が淋しさうな顔付をして居るので、屹度
先程
(
さつき
)
の買物が気に入らないのだらうと察した。
秋雨の絶間
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
「どうなさつたの。貴方一体
先程
(
さつき
)
から何を云つてゐらつしやるの。」と尋ねました。
駒鳥の胸
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
もう殆んど
生体
(
しやうたい
)
もなく酔つてゐると見へて一挙動/\が、夥しくテンポの鈍い注意深さに囚はれてゐる見たいであつたが、箱の蓋は
先程
(
さつき
)
から開け放しになつてゐるのも承知であつたらしく
夜の奇蹟
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
先程
(
さつき
)
の恋物語に、同情して、運命の敵し難さを共々に咒つてやつて、涙を流しかけてゐた道子を、何故もつと泣せずに——然も悲しい努力をまで感じながら、笑はせてなど仕舞つたのだらう
凸面鏡
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
「何か欲しいものはないの。
先程
(
さつき
)
の指輪はあれで、気に入つて?」
秋雨の絶間
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
「
先程
(
さつき
)
俺達が此処へ来て見ると、これが——」
南風譜
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
先
常用漢字
小1
部首:⼉
6画
程
常用漢字
小5
部首:⽲
12画
“先程”で始まる語句
先程來