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先方
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むかふ
ふりがな文庫
“
先方
(
むかふ
)” の例文
「さよか、
先方
(
むかふ
)
がそない言うてるのんやと——」鴈治郎の顔は見る/\
相好
(
さうがう
)
が崩れた。「会うだけなら一遍会うても構やへんな。」
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
私
(
わたくし
)
は
何氣
(
なにげ
)
なく
衣袋
(
ポツケツト
)
を
探
(
さぐ
)
つて、
双眼鏡
(
さうがんきやう
)
を
取出
(
とりいだ
)
し、
度
(
ど
)
を
合
(
あは
)
せて
猶
(
な
)
ほよく
其
(
その
)
甲板
(
かんぱん
)
の
工合
(
ぐあひ
)
を
見
(
み
)
やうとする、
丁度
(
ちやうど
)
此時
(
このとき
)
先方
(
むかふ
)
の
船
(
ふね
)
でも、
一個
(
ひとり
)
の
船員
(
せんゐん
)
らしい
男
(
をとこ
)
が
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
すると学校を
出
(
で
)
たての平岡でないから、
先方
(
むかふ
)
に
解
(
わか
)
らない、且つ都合のわるいことは成るべく云はない様にして置く。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
その声でハツとして一郎が顔を上げると、もう先生はツカツカと
先方
(
むかふ
)
へ行つてしまつた。一郎はぼんやりと先生の後姿を見送つてから、今度は沁々と黒板の先生の顔を見た。
悦べる木の葉
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
どうせ飛び出すのだ、何しろ訪ねて見ようと銀之助は
先
(
ま
)
づ
懐中
(
くわいちゆう
)
を改めると五円札が一枚と
余
(
あと
)
は
小銭
(
こせん
)
で五六十銭あるばかり。これでも仕方がない不足の分は
先方
(
むかふ
)
の様子を見てからの事と
直
(
す
)
ぐ下に
降
(
お
)
りた。
節操
(新字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
▼ もっと見る
着物
(
きもの
)
でも
着換
(
きか
)
へて、
此方
(
こつち
)
から
平岡
(
ひらをか
)
の
宿
(
やど
)
を
訪
(
たづ
)
ね様かと思つてゐる所へ、折よく
先方
(
むかふ
)
から
遣
(
や
)
つて
来
(
き
)
た。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「でも、
先方
(
むかふ
)
が、一遍兄さんに会ひたい/\言うてまんのやぜ。」
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
そのあるものは、
先方
(
むかふ
)
でも
眼鏡
(
めがね
)
の
先
(
さき
)
を
此方
(
こつち
)
へ向けてゐた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
“先方”の意味
《名詞》
先方(せんぽう)
相手の方向。また、その人。
先の方向。
(出典:Wiktionary)
先
常用漢字
小1
部首:⼉
6画
方
常用漢字
小2
部首:⽅
4画
“先方”で始まる語句
先方様
先方衆
先方持
先方樣
先方組