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地面
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ぢべた
ふりがな文庫
“
地面
(
ぢべた
)” の例文
その折ある地方で、
皮膚
(
はだ
)
の赤茶けた土人が、
地面
(
ぢべた
)
に
蹲踞
(
はひつくば
)
つて
玉蜀黍
(
たうもろこし
)
の
煙管
(
パイプ
)
で
脂
(
やに
)
くさい煙草をすぱすぱやつてゐるのを見かけた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
謂ふ心は、両足を
地面
(
ぢべた
)
に
喰
(
く
)
つ
付
(
つ
)
けてゐて歌ふ詩といふ事である。実人生と何等の間隔なき心持を以て歌ふ詩といふ事である。
弓町より
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
蜂
(
はち
)
はそれにとまつて
暫
(
しばら
)
く
夫
(
をつと
)
の
氣配
(
けはい
)
を
窺
(
うかゞ
)
つてゐるらしかつたが、それが
身動
(
みうご
)
きもしないのを
見
(
み
)
ると、
死骸
(
しがい
)
を
離
(
はな
)
れてすぐ
近
(
ちか
)
くの
地面
(
ぢべた
)
に
飛
(
と
)
び
降
(
お
)
りた。
画家とセリセリス
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
地面
(
ぢべた
)
を掘りさげた
土窖
(
つちむろ
)
——それが人の住ひなのぢや! ただ立ちのぼる煙を見て、そこにも神の子の住んでゐることが頷かれるといつたていたらく。
ディカーニカ近郷夜話 前篇:04 イワン・クパーラの前夜
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
良久
(
しばらく
)
して
覘
(
のぞ
)
いて
見
(
み
)
ると
魚
(
うを
)
の
歩兵
(
ほへい
)
の
姿
(
すがた
)
はなくて、モ
一人
(
ひとり
)
の
方
(
はう
)
が
戸
(
と
)
の
側
(
そば
)
に
地面
(
ぢべた
)
の
上
(
うへ
)
に
坐
(
すわ
)
つて、
茫然
(
ぼんやり
)
空
(
そら
)
を
凝視
(
みつめ
)
てゐました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
▼ もっと見る
謔語
(
じやうだん
)
のつもりで言つたことは
眞實
(
ほんたう
)
に成つて來た。實際、菜の花が咲いて居た。青草は
地面
(
ぢべた
)
から頭を持上げて居た。
伊豆の旅
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
君の感情は蛮人のやうに新鮮で、君の魂はいつも鵞鳥の卵のやうに
牧草
(
まきくさ
)
と
地面
(
ぢべた
)
の間に転がつてゐた。君の感覚も神経も
其処
(
そこ
)
で自然のままに曝され
試
(
ため
)
され鋭く削られて来た。
愛の詩集:02 愛の詩集のはじめに
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
君の感情は蛮人のやうに新鮮で、君の魂はいつも鵞鳥の卵のやうに
牧草
(
まきくさ
)
と
地面
(
ぢべた
)
の間に転がつてゐた。君の感覚も神経も
其処
(
そこ
)
で自然のままに曝され
試
(
ため
)
され鋭く削られて来た。
愛の詩集:03 愛の詩集
(新字旧仮名)
/
室生犀星
(著)
天を仰ぎ、真実に
地面
(
ぢべた
)
に生きてゐるものは悲しい。
月に吠える:02 月に吠える
(新字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
ぐつたりと、精も根も尽き果てて彼は自分の荒ら屋へ駈けこむなり、藁束のやうに
地面
(
ぢべた
)
へぶつ倒れてしまつた。そのまま死のやうな睡魔が彼を捉へてしまつた。
ディカーニカ近郷夜話 前篇:04 イワン・クパーラの前夜
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
応募兵は自分が
螽斯
(
ばつた
)
のやうに
勁
(
つよ
)
い脚を持つてゐるのを見せるために、二三度靴の
踵
(
かゞと
)
で
地面
(
ぢべた
)
を蹴つてみせた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
見返
(
みかへ
)
ると、
黒
(
くろ
)
に
黄色
(
きいろ
)
の
縞
(
しま
)
のある
大柄
(
おほがら
)
の
蜂
(
はち
)
で、一
度
(
ど
)
高
(
たか
)
く
飛
(
と
)
び
上
(
あが
)
つたのがまた
竹
(
たけ
)
の
根元
(
ねもと
)
に
降
(
お
)
りて
來
(
き
)
た。と、
地面
(
ぢべた
)
から一
尺
(
しやく
)
ほどの
高
(
たか
)
さの
竹
(
たけ
)
の
皮
(
かは
)
の
間
(
あひだ
)
に
蜘蛛
(
くも
)
の
死骸
(
しがい
)
が
挾
(
はさ
)
んである。
画家とセリセリス
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
地面
(
ぢべた
)
踏めば
蕪
(
かぶら
)
みどりの葉をみだすいつくしきかもわが足の上
雲母集
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
『お
前
(
めえ
)
こそ早えなツす。』と言つて、桶を
地面
(
ぢべた
)
に下した。
天鵞絨
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
北満洲の秋の野には
蝗
(
いなご
)
や蛙が飛んだり、跳ねたりしてゐたが、新調の軍服を見ると、急に
地面
(
ぢべた
)
に
這
(
は
)
ひ
屈
(
かゞ
)
んでしまつた。軍服は大手を
揮
(
ふ
)
つて、その前を通り過ぎた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
地面
(
ぢべた
)
より
転
(
ころ
)
げ出でたる玉キヤベツいつくしきかも皆玉のごと
雲母集
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
両足を
地面
(
ぢべた
)
に着ける事を忘れてはゐないか。
弓町より
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
何でもその説によると、
地面
(
ぢべた
)
に起きる事も、海の上で持上る事も何一つ神様の摂理で無いものはない。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
春雨の
地面
(
ぢべた
)
のつばきひた
紅
(
あか
)
しいくらかは濡れて動きたるらし
海阪
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
外套の隠しに両手を突込むで、停車場前の
広
(
ひろ
)
つ
場
(
ぱ
)
を歩きながら、大きな靴の
踵
(
かゞと
)
で
暴
(
やけ
)
に
地面
(
ぢべた
)
を蹴散らしてみたが、
地面
(
ぢべた
)
を蹴つたところで、急行列車がとまる訳でもなかつた。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
憤る裸の子なれ
地面
(
ぢべた
)
に寝て陽にはまぶしき眼をほそめ居り
風隠集
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
蹠が
地面
(
ぢべた
)
にくつ附いてゐるうちは、どんな事があつても
他人
(
ひと
)
に力負けはしなかつたといふが、さすが希臘人だけに蹠と
地面
(
ぢべた
)
とを結びつけた解釈は偉いと言はなければならぬ。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
大きなる足が
地面
(
ぢべた
)
を踏みつけゆく力あふるる人間の足が
雲母集
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「この寒さぢや、私は誰よりも先きに風邪を引くだらうと思つてゐたのです、何だつて貴方、こんな大きな脚でせう、
地面
(
ぢべた
)
にくつ着いてる所が人並よりずつと多いんですからね。」
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
天を仰ぎ、真実に
地面
(
ぢべた
)
に生きてゐるものは悲しい。
月に吠える:01 序
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
内田博士は
弾機
(
ばね
)
細工のやうに一
足
(
あし
)
後へ飛んだ。そしてどこへ持物をおいたものかと、
狼狽
(
うろた
)
へ気味にそこらを見廻してゐたが、思ひきつて
腋
(
わき
)
に抱へた書物をそのまゝそつと
地面
(
ぢべた
)
に置いた。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
地面
(
ぢべた
)
にしつかり足をつける、うんと踏んばろ、——
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
それを見た福田博士は、自分も何か知ら
地面
(
ぢべた
)
に置かないでは済まないやうな気がしたが、あいにくラツセルもマルクスも手に持つてゐなかつたので、申し訳だけに
履
(
くつ
)
の爪先を踏み揃へた。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
石臼のほとりに飛べや
寒
(
かん
)
すずめ
地面
(
ぢべた
)
の雪に
蹠
(
あなうら
)
つけて
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
毎月
(
まいげつ
)
二十五日には北野の天神へ怠らず
参詣
(
まゐ
)
つてゐたが、或日雨の降るなかを弟子が訪ねて
往
(
ゆ
)
くと、五雲は
仰向
(
あふむけ
)
に寝て、両手を組んで枕に当てがひ、両足をあげて
地面
(
ぢべた
)
を踏むやうな真似をしてゐる。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
黒い繻子の服の寂しさ……タアシヤーは
地面
(
ぢべた
)
の
緑の種子
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
凪
(
なぎ
)
だね、まるで海がならした
地面
(
ぢべた
)
のやうだ。
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
何んでも、はあ、
地面
(
ぢべた
)
にかぢりついて
畑の祭
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
“地面”の意味
《名詞》
地 面(じめん)
大地(地)の表面のこと。
(土地取引や、開墾の際に、)土地(用地)・地所(敷地)を指す。建築用語としては、建築物の建つ土地の表面のこと。
(出典:Wiktionary)
地
常用漢字
小2
部首:⼟
6画
面
常用漢字
小3
部首:⾯
9画
“地面”で始まる語句
地面上
地面師