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じびた
ふりがな文庫
“
地面
(
じびた
)” の例文
木枯の吹く寒い日に、計算翁は例の如く黒い服を裾長く
地面
(
じびた
)
に
引摺
(
ひきず
)
って、黒頭布を被って、手に聖書を持って、町の中を右左に歩き廻った。
点
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「さあどうだ。二人とも
地面
(
じびた
)
に手を
仕
(
つ
)
いて、お辞儀をしなせえ。拳固で一つ頭をこつんだ。もちろん酒は私が
奢
(
おご
)
ってやる」
怪異暗闇祭
(新字新仮名)
/
江見水蔭
(著)
てんで
地面
(
じびた
)
にタタキ付けた。それから又拾い上げて先の方を読んで行くうちに、今度は三拝九拝して涙を流しながら
悪魔祈祷書
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
焼鳥を
串
(
くし
)
から引っこぬくように、鼬を竿の先から抜き取って、それを
地面
(
じびた
)
へ叩きつけると、屋根の上へ飛び上った鶏がホッと安心したように下りて来て
大菩薩峠:06 間の山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
爺さんは笑いながら腰から浅黄の
手拭
(
てぬぐい
)
を出した。それを
肝心綯
(
かんじんより
)
のように細長く
綯
(
よ
)
った。そうして
地面
(
じびた
)
の真中に置いた。それから手拭の
周囲
(
まわり
)
に、大きな丸い輪を
描
(
か
)
いた。
夢十夜
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
それが今じゃ、
裸
(
はだ
)
かで
地面
(
じびた
)
に寝ても平気だし、草までむしゃむしゃやれるまでになった。結局この方が気楽さね。何にも欲しいとは思わねえ、何にも怖いとは思わねえ。
追放されて
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
町には灯影が涼しく動いて、濡れた
地面
(
じびた
)
からは、土の匂いが鼻に通って来た。
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
ある
日
(
ひ
)
じいさんが、
途中
(
とちゅう
)
で
財布
(
さいふ
)
を
取
(
と
)
り
出
(
だ
)
して
金
(
かね
)
を
計算
(
かんじょう
)
しているのを
見
(
み
)
た。
乞食
(
こじき
)
の
子
(
こ
)
は、さっそくそばへきて、
地面
(
じびた
)
に
落
(
お
)
ちている
小石
(
こいし
)
を
拾
(
ひろ
)
って
つばめと乞食の子
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
こちらに背中を向けて黒い棒を振上げると、手といわず頭といわずメチャメチャに殴り付けて、とうとう
地面
(
じびた
)
に平ったくなるまでタタキ付けてしまったらしい。
オンチ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
夜道だから
平生
(
へいぜい
)
よりは、ただでさえ長く思われる上へ持ってきて、
凸凹
(
でこぼこ
)
の登りを
膨
(
ふくら
)
っ
脛
(
ぱぎ
)
が
腫
(
は
)
れて、
膝頭
(
ひざがしら
)
の骨と骨が
擦
(
す
)
れ合って、
股
(
もも
)
が
地面
(
じびた
)
へ落ちそうに歩くんだから、長いの
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
けれどいつかこの黒い鳥も羽が疲れて
地面
(
じびた
)
に落ちてしまい、厭な声も次第に疲れて
涸
(
か
)
れてしまうだろう。そうすればこの世は全く声というものが絶えてしまう。
不思議な鳥
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
と私は
独言
(
ひとりごと
)
を云った。そして考えを散らさないように外套の襟を立てて、
地面
(
じびた
)
を見詰めながら歩き出した。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
一朝事があれば、彼もしくは彼女は畜生のように、又は餓鬼のように昏迷して
地面
(
じびた
)
を這いまわる。そうして一朝事が無くなると、又澄まして文化面をして田舎者を馬鹿にする。
東京人の堕落時代
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
「この
悪
(
わる
)
い
小僧
(
こぞう
)
め、
早
(
はや
)
く
返
(
かえ
)
さんか。」と
怒
(
おこ
)
って
後
(
あと
)
を
追
(
お
)
い
駆
(
か
)
けた。
乞食
(
こじき
)
の
子
(
こ
)
は、おもしろがって
逃
(
に
)
げた。じいさんは
追
(
お
)
い
駆
(
か
)
けているうち
石
(
いし
)
につまずいて、みんな
地面
(
じびた
)
に
財布
(
さいふ
)
の
金
(
かね
)
をまいてしまった。
つばめと乞食の子
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ここまで考えて来た私は、無意識の
裡
(
うち
)
にぴったりと立ち止まった。……と同時にポケットの中で最前の聖書をしっかりと握り締めながら、ぼんやりと
地面
(
じびた
)
を凝視している私自身を発見した。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
もう自分の殺される時が近づいたと覚悟をしたのであろう。捕われた男の眼からは別に涙が流れて落ちなかった。悪者の一人は片足で
地面
(
じびた
)
に折れたままの鉄砲が捨てられていたのを蹴って
除
(
の
)
けた。
捕われ人
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
一番おしまいにはビール
樽
(
だる
)
の中に封じられて二頭の馬の背中に積まれたまま、ぐるぐるまわっているうちに、自分の姿とそっくりの人形を
幾個
(
いくつ
)
も幾個もビール樽の中から
地面
(
じびた
)
の上に投げ出すのです。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
“地面”の意味
《名詞》
地 面(じめん)
大地(地)の表面のこと。
(土地取引や、開墾の際に、)土地(用地)・地所(敷地)を指す。建築用語としては、建築物の建つ土地の表面のこと。
(出典:Wiktionary)
地
常用漢字
小2
部首:⼟
6画
面
常用漢字
小3
部首:⾯
9画
“地面”で始まる語句
地面上
地面師