“巌畳”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
がんじょう77.8%
がんでふ22.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
三間巾の海水堀、高い厚い巌畳がんじょうな土塀、土塀の内側うちがわの茂った喬木、昼間見てさえなかの様子は、見る事が出来ないといわれていた。
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
出はいりなく平らに、層一層と列をととのえ、雲までとどかせるつもりの方尖碑オベリスク巌畳がんじょういしずえでもあるかのような観を呈した。
丑松の父といふは、日頃極めて壮健な方で、激烈はげしい気候に遭遇であつても風邪一つ引かず、巌畳がんでふ体躯からだかへつて壮夫わかものしのぐ程の隠居であつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
津下君は久しく見ぬ間に、体格の巌畳がんでふな、顔色の晴々した人になつてゐて、昔の憂愁の影はもうあとだになかつた。私は「書後」の筆を投ずるにのぞんでつゝしんで君の健康を祝する。
津下四郎左衛門 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)