岩室いわむろ)” の例文
だんだんふかはいって行って、まっくらなはやしの中の、いわばかりのでこぼこしたみちをよじて行きますと、やがて大きな岩室いわむろまえに出ました。
大江山 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
「でも妾は慰められます。しぶきが舞い込み、しずくが落ちる、あの滝の裏の岩室いわむろの中で、五年もの間苦しまれた、お祖父様のことを思いますとねえ」
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
城内から出た時は小姓の岩室いわむろ長門守、長谷川橋介、佐脇藤八、山口飛騨守、賀藤弥三郎の五騎に過ぎない。そのまま大手口に差しかかると、黒々と一団が控えている。
桶狭間合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
「では、お別れ申しまする。……彼方の山が岩室いわむろで、まもなく、金剛寺の西の国分峠、あとは南へ南へと、粉河までは、山つづきです。どうぞ、おつつがなきように」
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しき事多き岩室いわむろを称へむ。8485
云い云い彼は岩室いわむろの中の二間しかない家の中へ機嫌よくノッソリと上がって行った。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
キプロスの荒き岩室いわむろ