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はてし
ふりがな文庫
“
際涯
(
はてし
)” の例文
日本
(
にほん
)
が
化物
(
ばけもの
)
の
貧弱
(
ひんじやく
)
なのに
對
(
たい
)
して、
支那
(
しな
)
に
入
(
い
)
ると
全
(
まつた
)
く
異
(
ことな
)
る、
支那
(
しな
)
はあの
通
(
とほ
)
り
尨大
(
ぼうだい
)
な
國
(
くに
)
であつて、
西
(
にし
)
には
崑崙雪山
(
こんろんせつざん
)
の
諸峰
(
しよぼう
)
が
際涯
(
はてし
)
なく
連
(
つらな
)
り
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
際涯
(
はてし
)
のない暗闇の中に、私達の細長い車室
丈
(
だ
)
けが、たった一つの世界の様に、いつまでもいつまでも、ガタンガタンと動いて行った。
押絵と旅する男
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
際涯
(
はてし
)
無く
寂寞
(
せきばく
)
の続く人生の
砂漠
(
さばく
)
の中に自然に逆ってまでも自分勝手の道を行こうとしたような、そうした以前の岸本では無かった。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
そうしてその奥に更に大きな、殆んど
際涯
(
はてし
)
もないと思われる巨大な、素晴らしい黒幕が現出したのだ。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
感じと感じとの間には、星のない夜のような、波のない海のような、暗い深い
際涯
(
はてし
)
のない悲哀が、愛憎のすべてをただ一色に染めなして、どんよりと広がっていた。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
▼ もっと見る
難儀をなさるだろうといっていちいち挨拶をしていたら
際涯
(
はてし
)
がないだろう、それよりか、俺は俺の田地の減らぬようせっかく倹約をする方が、
相方
(
そうほう
)
厄介なしで心安いというものだ。
厄払い
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
それにしても、あの老人は何者であろうか。父の行方不明と
彼
(
か
)
の惨殺事件との間に、何等かの
関聯
(
かんれん
)
があるのではあるまいか。こんな事を
際涯
(
はてし
)
もなく思い続けている
中
(
うち
)
に、夜は白んだ。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
途中の
焦燥
(
もどか
)
しさは、まるで
際涯
(
はてし
)
もない旅をしている気持であった。畑や村が
車窓
(
まど
)
をかすめて後へ後へと消え、沿道の電線は、
鞦韆
(
ぶらんこ
)
からでも眺めるように、目まぐるしく高まったり
陥
(
お
)
ちこんだりした。
情状酌量
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
新しい板壁の反射や生々しいペンキの色は、そうした感じを象徴して
際涯
(
はてし
)
もなく波打ち続いている。
街頭から見た新東京の裏面
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
二人で雪の中に凍えたかも知れない……
左様
(
さう
)
でなくてすら、あの
際涯
(
はてし
)
の無い白い海のやうなところで、もうすこしで私は死ぬかと思つた……私は
身体
(
からだ
)
が寒いばかりだとは思はなかつた。
突貫
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
時々眠くなるような
眩暈
(
めまい
)
、何処かそこへ倒れかかりそうな息苦しさ、未だ曾て経験したことのない戦慄、もうすこしで私は死ぬかと思ったあの
際涯
(
はてし
)
の無い白い海を思出すことも出来る。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
あの「生の氷」に
譬
(
たと
)
えて見た
際涯
(
はてし
)
の無い
寂寞
(
せきばく
)
の世界の方へ。あの極度の疲労の方へ。あの眼の
眩
(
くら
)
むような生きながらの地獄の方へ。あの不幸な姪と一緒に
堕
(
お
)
ちて行った畜生の道の方へ——
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
茶屋の樓上からは近くに
後
(
うしろ
)
が島、かなたに鏡が崎も望まれて、
際涯
(
はてし
)
もなく續いてゐるやうな大海と、青く光る潮の筋とを遠く見渡すことも出來た。そこまでたどり着くと、海風が吹き入つてすゞしい。
山陰土産
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
“際涯”の意味
《名詞》
土地、物事の限界。果て。終わり。
(出典:Wiktionary)
際
常用漢字
小5
部首:⾩
14画
涯
常用漢字
中学
部首:⽔
11画
“際涯”で始まる語句
際涯無