“うら”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ウラ
語句割合
41.2%
16.4%
12.1%
8.6%
6.4%
3.7%
3.3%
1.2%
裏面1.1%
0.8%
0.6%
0.4%
0.4%
0.3%
0.3%
0.2%
0.2%
0.2%
二回0.2%
二度0.2%
反對0.2%
0.2%
0.1%
0.1%
二会目0.1%
二回目0.1%
0.1%
寺後0.1%
屋後0.1%
彼方0.1%
0.1%
後圃0.1%
怨憤0.1%
0.1%
0.1%
木末0.1%
0.1%
盂蘭0.1%
0.1%
裏口0.1%
裏道0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それでも貴公は、きゃつらに何の怨みもないか! いやさ、吾々と力をあわせて、そのうらみを思い知らせてやるという気が起こらぬのか
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
日頃うらんでいたおせいが、この上二重三重の不倫を犯したとしても、まだおつりが来る程有難く、かたじけなく思われたに相違ない。
お勢登場 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
友染いうぜんきれに、白羽二重しろはぶたへうらをかさねて、むらさきひもくちかゞつた、衣絵きぬゑさんが手縫てぬい服紗袋ふくさぶくろつゝんで、そのおくつた、しろかゞや小鍋こなべである。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
常磐津ときわづ浄瑠璃に二代目治助が作とやら鉢の木を夕立の雨やどりにもじりたるものありと知れどいまだその曲をきく折なきをうらみとせり。
夕立 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
千葉県ちばけんかすみうらの上空から西南せいなんを望んだとすると、東京湾が見え、その先に伊豆半島いずはんとうが見える位が関の山だが、赤外線写真で撮すと
赤外線男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
村はうららかな日にかすんでいた。麦は色づき始め、菜の花が黄色く彩どっていた。うぐいすが山に鳴き家々の庭には沈丁香じんちょうげの花がにおっていた。
掛りうどのやうな奉公人のやうな、店中の者にうらやまれる樂な奉公をさして頂き、それから引續いて、今の御主人の厄介になつて居ります。
されば陰陽師が一八九うらのいちじるき、一九〇御釜みかま凶祥あしきさがもはたたがはざりけるぞ、いともたふとかりけるとかたり伝へけり。
谷山家の養子事件を裏面うらからアヤツリ廻して来た、冷血残忍なAの手の動きを、ハッキリと見透かしながら、お話する事が出来るのですからね……。
キチガイ地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「なんしろ、俺の身体は頭の上に毛が幾本あって、足のうらに筋がいくつあるということまで、ちゃあんと呑込んでる先生だから、一目で見破られちまった」
始めは戯れならむと思ひしが、その容貌ようばうの青ざめたるさへあるに、夜の事とて共に帰らぬ弟の身の不思議さに、何処にてと問ひければ、東禅寺うらにて、と答ふ。
鬼心非鬼心:(実聞) (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
すぎとし北国より人ありてこぶしの大さの夜光やくわうの玉あり、よく一しつてらす、よきあたひあらばうらんといひしかば、即座そくざに其人にたくしていはく、其玉もとめたし
篠笹の葉のうらにも、何処にもすべて行きわたらないところはないやうな気がした。
赤い鳥居 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
「これはローリーさんの記念の写真で、うらがアメリカへ行った最初の年の写真やはけ、これだけは残して置きたいと思うのやが」
ノア (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
粕谷八幡はさしてふるくもないので、大木と云う程の大木は無い。御神木と云うのはうられた杉の木で、此はやしろうしろで高処だけに諸方から目標めじるしになる。烏がよく其枯れた木末こずえにとまる。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
「だつて、そのくれゐあためへだア。お前さアばか、勝手な真似して、うらとがめられるせきはねえだ」
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
いきどほりうらにしもて裏の児の咲ちやんをよびあそびけるかな
小熊秀雄全集-01:短歌集 (新字旧仮名) / 小熊秀雄(著)
明きの方ということは雷さまの年を越した方角のことで、それによって村老はまた田作りの豊凶をうらした。
雪国の春 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
いま花魁の出ているは矢ッ張り軍艦ふねのお客で、今夜は二回うらをかえしにお出でなされたんでげすから、疎末そまつにはしない、しきりに一昨夜おとついのばん不勤ふづとめを詫していると、新造しんぞが廊下から
それで取まわしがいゝ、誠にかゆいところへ手の届くようにせられましたから、何うもひねりぱなしで二度うらを返さずにおくことが出来なくなる。後朝きぬ/″\のわかれにもなんとなく帰しともない様子があって
人の高く登るを見て己がちからめぐみほまれ及び名を失はんことをおそれ悲しみてその反對うらを求むる者あり 一一八—一二〇
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
ただ胸が冷たくなると、一層あたりがしんとしてしまった。ああ、何と云う静かさだろう。この山陰やまかげの藪の空には、小鳥一羽さえずりに来ない。ただ杉や竹のうらに、寂しい日影がただよっている。
藪の中 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
(一) 子曰く、学びて時に習う、またよろこ(悦)ばしからずや。有朋とも(友朋)遠方より来たる、亦楽しからずや。人(己れを)知らざるもうらみず、亦君子ならずや。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
学而篇初章の第三句、「人知らざるもうらみず」と同じ意味の言葉が、この篇の末尾に置かれていることを軽視してはならない。それはこの第三のテーマがここに展開せられたことを示すのである。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
女房もそれなりに咽喉のどほの白う仰向あおむいて、目を閉じて見る、胸のうらの覚え書。
海異記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
只今ならばすぐに警察署へ訴えになりまして相当の御処置が附きますが、其の頃は初会というと座敷かぎりと云って、顔を見たばかりでお客が得心で帰り、二会目うらに馴染が附き、漸くお床と云う
音羽のもとへ来る客は有りますけれども、二回目うらの返ったためしがないから無心をいう人がありませんが、此の番頭新造は親切ものゆえ、種々心配いたし
今彼は、クリストに從はざることのいかに貴き價を拂ふにいたるやを知る、そは彼このうるはしき世とそのうらとを親しく味ひたればなり 四六—四八
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
と、心の目で、雪之丞が、もはや、寺後うらもりを抜けて、塀さえ越してしまったのを、見届けてつぶやいたが
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
井戸辺いどばたに出ていたのを、女中が屋後うらに干物にったぽっちりのられたのだとサ。矢張やっぱり木戸が少しばかしいていたのだとサ」
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
と先に立ちて行く後より、高田も入りて見るに、壁の彼方うらにも一室あり。畳を敷くこと三畳ばかり。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
うらさ行つて、川ば見てれば、秋味の野郎、背中ば出して、泳いでるのに、三ヶ月も魚ば喰はねえつてあるか。糞ツたれ。そつたら分らねえ話あるか。
防雪林 (旧字旧仮名) / 小林多喜二(著)
おもむろにもたげて鉄縁の近眼鏡めがねごしに打ちながめつ「あア、老女おばさんですか、大層早いですなア——先生は後圃うらで御運動でせウ、何か御用ですか」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
つい最早もうすっかり無くなった時分にはとうとう姿を隠して家を逃げてしまった、残された老婆は非常に怨憤うら落胆らくたんして常に「口惜くやしい口惜くやしい」といっていた。
暗夜の白髪 (新字新仮名) / 沼田一雅(著)
「生きかえって後に、また約束をやぶるようなことがあってはいけないです。どうか私のむくろを取って来てください。私はあなたの家で生きかえります。私はすこしもうらむことがないのです。」
連城 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
うららかに晴れ静まった青空には、洋紅色ローズマダーの幻覚をほのめかす白い雲がほのぼのとゆらめき渡って、遠く近くに呼びかわす雲雀ひばりの声や、頬白ほおじろの声さえもなごやかであった。
木魂 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
板塀の上に二三尺伸びている夾竹桃きょうちくとう木末うらには、くものいがかかっていて、それに夜露が真珠のように光っている。つばめが一羽どこからか飛んで来て、つと塀のうちに入った。
阿部一族 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
露台の硝子ガラス越しに見える松の並木、その梢の間に閃いている遠い海面の濃い狭い藍色。きのう雪が降ったのが今日はうららかに晴れているから、幅広い日光と一緒に、潮の香が炉辺まで来そうだ。
海浜一日 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
昨夜盂蘭うら盆ノ送リ火ヲ済マスト間モナク颯子ハ出カケテ行ッタ。夜ノ遅イ急行デ京都ヘ行キ、祇園会ヲ見物スルノダト云ウ。
瘋癲老人日記 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
かくて我曰ひけるは、汝等の状態さまはわがうらに侮りにあらで大いなる俄に消え盡し難き憂ひを宿せり 五二—五四
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
露地にいた足駄の跡を避けて、小僧に案内させた藤吉は子分二人を引具して家について裏口うらへ廻った。
「女の足だ、先は裏道うらの嶮しいところとも知らずに、その平地ひらちな方へ向ったにちがいねえ」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
終世 うらうらまず。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
守護まもり給ふ物成らんと又妹お富も長庵にあざむかれて此丁字屋へうられ來しかば姉妹はらから手と手を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
そしてヨブの所に来り見れば往日さきの繁栄、往日の家庭、往日の貴き風采ふうさい悉く失せて今は見る蔭もなく、身は足のうらよりいただきまで悪しき腫物はれものに悩み
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)