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裏
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うら
ふりがな文庫
“
裏
(
うら
)” の例文
敗
(
やぶ
)
れたる
專
(
せん
)
門
棋士
(
きし
)
の
胸
(
けう
)
中や
果
(
はた
)
して如何に? どんな
勝負
(
せうふ
)
事も
背
(
はい
)
後に生
活
(
くわつ
)
問題
(
もんだい
)
が
裏
(
うら
)
附けるとなれば一そう
尖鋭化
(
せんえいくわ
)
してくる事は明かだが
下手の横好き:―将棋いろいろ―
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
友染
(
いうぜん
)
の
切
(
きれ
)
に、
白羽二重
(
しろはぶたへ
)
の
裏
(
うら
)
をかさねて、
紫
(
むらさき
)
の
紐
(
ひも
)
で
口
(
くち
)
を
縷
(
かゞ
)
つた、
衣絵
(
きぬゑ
)
さんが
手縫
(
てぬい
)
の
服紗袋
(
ふくさぶくろ
)
に
包
(
つゝ
)
んで、
園
(
その
)
に
贈
(
おく
)
つた、
白
(
しろ
)
く
輝
(
かゞや
)
く
小鍋
(
こなべ
)
である。
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
信吉
(
しんきち
)
は、あの
人
(
ひと
)
たちも、もうこの
町
(
まち
)
を
去
(
さ
)
ってしまったと
思
(
おも
)
いました。
夜
(
よる
)
になると、
裏
(
うら
)
の
野菜圃
(
やさいばたけ
)
で、うまおいの
鳴
(
な
)
く
声
(
こえ
)
がきこえました。
銀河の下の町
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
其晩
(
そのばん
)
宗助
(
そうすけ
)
は
裏
(
うら
)
から
大
(
おほ
)
きな
芭蕉
(
ばせう
)
の
葉
(
は
)
を二
枚
(
まい
)
剪
(
き
)
つて
來
(
き
)
て、それを
座敷
(
ざしき
)
の
縁
(
えん
)
に
敷
(
し
)
いて、
其上
(
そのうえ
)
に
御米
(
およね
)
と
並
(
なら
)
んで
涼
(
すゞ
)
みながら、
小六
(
ころく
)
の
事
(
こと
)
を
話
(
はな
)
した。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
女等
(
をんなら
)
は
皆
(
みな
)
少時
(
しばし
)
の
休憩時間
(
きうけいじかん
)
にも
汗
(
あせ
)
を
拭
(
ぬぐ
)
ふには
笠
(
かさ
)
をとつて
地上
(
ちじやう
)
に
置
(
お
)
く。
一
(
ひと
)
つには
紐
(
ひも
)
の
汚
(
よご
)
れるのを
厭
(
いと
)
うて
屹度
(
きつと
)
倒
(
さかさ
)
にして
裏
(
うら
)
を
見
(
み
)
せるのである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
東海道線
(
とうかいだうせん
)
と
山
(
やま
)
の
手
(
て
)
線
(
せん
)
と
合
(
がつ
)
して
居
(
ゐ
)
る
鐵道線路
(
てつだうせんろ
)
の
右手
(
みぎて
)
の
臺地
(
だいち
)
がそれで、
大井
(
おほゐ
)
の
踏切
(
ふみきり
)
から
行
(
ゆ
)
けば、
鐵道官舍
(
てつだうくわんしや
)
の
裏
(
うら
)
から
畑中
(
はたなか
)
に
入
(
い
)
るのである。
探検実記 地中の秘密:02 権現台の懐古
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
ある日ちょんさんは、お
友達
(
ともだち
)
といっしょに
裏
(
うら
)
で
遊
(
あそ
)
んでいました。するうち、どうかしたはずみで、ちょんさんは
井戸
(
いど
)
に
落
(
お
)
ちました。
長い名
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
父
(
とう
)
さんの
祖母
(
おばあ
)
さんの
隱居所
(
いんきよじよ
)
になつて
居
(
ゐ
)
た二
階
(
かい
)
と
土藏
(
どざう
)
の
間
(
あひだ
)
を
通
(
とほ
)
りぬけて、
裏
(
うら
)
の
木小屋
(
きごや
)
の
方
(
はう
)
へ
降
(
おり
)
て
行
(
ゆ
)
く
石段
(
いしだん
)
の
横
(
よこ
)
に、その
井戸
(
ゐど
)
がありました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
鍋町
(
なべちやう
)
は
裏
(
うら
)
の
方
(
はう
)
で
御座
(
ござ
)
いますかと
見返
(
みかへ
)
れば
否
(
いな
)
鍋町
(
なべちやう
)
ではなし、
本銀町
(
ほんしろかねちやう
)
なりといふ、
然
(
さ
)
らばとばかり
馳
(
は
)
せ
出
(
いだ
)
す
又
(
また
)
一町
(
いつちやう
)
、
曲
(
まが
)
りませうかと
問
(
と
)
へば
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
渡島國凾舘住吉町
(
をしまのくにはこたてすみよしてう
)
、
後志
(
しりべし
)
國余市川村、
石狩
(
いしかり
)
國
空知監獄署用地
(
ソラチかんごくしようようち
)
、
日高
(
ひだか
)
國
捫別舊會所
(
もんべつきうくわいじよ
)
の
裏
(
うら
)
等よりは
石鏃
(
せきぞく
)
を入れたる
儘
(
まま
)
の
土器
(
どき
)
を
掘出
(
ほりだ
)
せし事有り。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
バルブレンの顔を見るとよけいに心配が
積
(
つ
)
もるばかりであった。その目つきからにげるためにわたしは
裏
(
うら
)
の
野菜畑
(
やさいばたけ
)
へかけこんだ。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
そのときはもう、
裏
(
うら
)
にまわった透明人間が、
物置
(
ものおき
)
から
探
(
さが
)
しだした
手斧
(
ておの
)
で、ガンガン、
台所
(
だいどころ
)
のドアを
叩
(
たた
)
きこわしてるところだった。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
取上て見れば
牡丹
(
ぼたん
)
の繪に
裏
(
うら
)
には詩を
書
(
かい
)
て有り又此通り
親骨
(
おやぼね
)
に杉田三五郎と記してあれば全く敵は三五郎に
相違無
(
さうゐな
)
し是に
依
(
よつ
)
て先生に助太刀を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「もういちど、
裏
(
うら
)
のお庭へ行って、じょろのうしろにかくれているとかげを六ぴき、見つけていらっしゃい。」といいました。
灰だらけ姫:またの名 「ガラスの上ぐつ」
(新字新仮名)
/
シャルル・ペロー
(著)
私たちは今年三
度目
(
どめ
)
、イギリス海岸へ行きました。
瀬川
(
せがわ
)
の
鉄橋
(
てっきょう
)
を渡り
牛蒡
(
ごぼう
)
や
甘藍
(
かんらん
)
が青白い
葉
(
は
)
の
裏
(
うら
)
をひるがえす
畑
(
はたけ
)
の間の細い道を通りました。
イギリス海岸
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
尽日
(
じんじつ
)
北の風が吹いて、時々
冷
(
つめ
)
たい
繊
(
ほそ
)
い雨がほと/\落ちて、見ゆる限りの青葉が白い
裏
(
うら
)
をかえして南に
靡
(
なび
)
き、
寂
(
さび
)
しいうら
哀
(
かな
)
しい日であった。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
絖
(
ぬめ
)
を漉したやうな日光が、
裏
(
うら
)
の藪から野菜畑、小庭の垣根などに、万遍なく差して、そこに枯れ/\に立つてゐる
唐辛
(
とうがらし
)
が
真赤
(
まつか
)
に
色
(
いろ
)
づいてゐた。
閾
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
在所の年寄仲間は、御坊さんの
裏
(
うら
)
の
竹林
(
たけばやし
)
の
中
(
なか
)
にある
沼
(
ぬま
)
の
主
(
ぬし
)
、なんでも
昔
(
むかし
)
願泉寺の開基が真言の
力
(
ちから
)
で
封
(
ふう
)
じて置かれたと云ふ
大蛇
(
だいじや
)
が
祟
(
たヽ
)
らねば善いが。
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
獨樂
(
こま
)
の
自分
(
じぶん
)
に
一度
(
いちど
)
廻
(
まは
)
るは
即
(
すなは
)
ち
地球
(
ちきう
)
の
自轉
(
じてん
)
といふものにて、
行燈
(
あんどう
)
の
方
(
かた
)
に
向
(
むき
)
たる
半面
(
はんめん
)
は
晝
(
ひる
)
となり、
裏
(
うら
)
の
半面
(
はんめん
)
は
夜
(
よ
)
となり、この
一轉
(
ひとまはり
)
を
一晝夜
(
いつちうや
)
とするなり。
改暦弁
(旧字旧仮名)
/
福沢諭吉
(著)
たぶんは
聴
(
き
)
く者にはっきりとひびくように、また話を長くおもしろくするために、
裏
(
うら
)
と
表
(
おもて
)
と両面から、ていねいに説く習わしがあったのであろう。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
たとえ思想は絶対的であっても、これを言葉に発するときには、思想の上も下も、前も後も、
表
(
おもて
)
も
裏
(
うら
)
も、ことごとく同時に言い現すことは出来ぬ。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
裏
(
うら
)
の
田圃
(
たんぼ
)
へ出て見ると
奥
(
おく
)
の
方
(
はう
)
の物置きの中に
素裸体
(
すつぱだか
)
で
年
(
とし
)
の
頃
(
ころ
)
三十二三になる
男
(
をとこ
)
が
棒縛
(
ぼうしば
)
りになつて
居
(
ゐ
)
るのを見て、
和尚
(
をしやう
)
は
驚
(
おど
)
ろき、
中
(
なか
)
へ
飛込
(
とびこ
)
んで
来
(
き
)
て、僧
詩好の王様と棒縛の旅人
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
洋服の男がそれまで云いかけたところで軽いゴム
裏
(
うら
)
の音がした。謙作はふと顔をあげた。前の隅のテーブルにいた女が帰りかけているところであった。
港の妖婦
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
つぎの朝はいつもより早く
起
(
お
)
きだして、しろ公をつれて家の
裏
(
うら
)
の丘の上へのぼり、入江の方を見ていました。が、おっかさんはかえってきませんでした。
あたまでっかち
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
耳
(
みみ
)
のほくろはいうに
及
(
およ
)
ばず、
足
(
あし
)
の
裏
(
うら
)
の
筋数
(
すじかず
)
まで、
読
(
よ
)
みたい
時
(
とき
)
に
読
(
よ
)
めやすが、きょうのはそうはめえりやせん。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
されば禅師の大徳、
一五七
雲の
裏
(
うら
)
、海の外にも聞えて、
一五八
初祖
(
しよそ
)
の肉いまだ乾かずとぞ称嘆しけるとなり。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
私共
(
わたしども
)
はこの
種
(
しゆ
)
の
土器
(
どき
)
を
彌生式土器
(
やよひしきどき
)
と
呼
(
よ
)
んでをりますが、それは
最初
(
さいしよ
)
東京
(
とうきよう
)
本郷
(
ほんごう
)
の
帝國大學
(
ていこくだいがく
)
の
裏
(
うら
)
の
所
(
ところ
)
に
當
(
あた
)
る
彌生町
(
やよひちよう
)
にあつた
貝塚
(
かひづか
)
から
出
(
で
)
た
土器
(
どき
)
から
名
(
な
)
を
取
(
と
)
つたのです。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
と、
白旗
(
しらはた
)
の
宮
(
みや
)
の
裏
(
うら
)
から、よろばいだした
法師武者
(
ほうしむしゃ
)
がある。こなたの
混乱
(
こんらん
)
に乗じて、そこなる馬に飛びつくや
否
(
いな
)
、死にものぐるいであなたへむかって走りだした。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あしたは克巳が、町へ帰るという日の昼さがりには、三人でたらいをかついで
裏
(
うら
)
山の
絹池
(
きぬいけ
)
にいきました。
いぼ
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
答
(
こたへ
)
て
曰
(
いはく
)
、地気天に
変格
(
へんかく
)
して雪となるゆゑ天の
円
(
まるき
)
と地の
方
(
かく
)
なるとを
併合
(
あはせ
)
て
六出
(
むつかど
)
をなす。
六出
(
りくしゆつ
)
は
円形
(
まろきかたち
)
の
裏
(
うら
)
也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
火鉢
(
ひばち
)
の
火
(
ひ
)
が
赤
(
あか
)
いのも、
鐵瓶
(
てつびん
)
が
優
(
やさ
)
しい
響
(
ひゞ
)
きに
湯氣
(
ゆげ
)
を
立
(
た
)
てゝゐるのも、ふと
擡
(
もた
)
げてみた
夜着
(
よぎ
)
の
裏
(
うら
)
が
甚
(
はなはだ
)
しく
色褪
(
いろあ
)
せてゐるのも、すべてが
皆
(
みな
)
私
(
わたし
)
に
向
(
むか
)
つて
生
(
い
)
きてゐる——この
年
(
とし
)
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
こないだの
關東
(
かんとう
)
の
大震災
(
だいしんさい
)
のときには、
淺草
(
あさくさ
)
の
觀音
(
かんのん
)
のお
堂
(
どう
)
の
裏
(
うら
)
のいてふの
木
(
き
)
は
片側
(
かたがは
)
半分
(
はんぶん
)
は
火
(
ひ
)
に
燒
(
や
)
けても、
他
(
た
)
の
半分
(
はんぶん
)
の
枝葉
(
えだは
)
のために
火
(
ひ
)
がお
堂
(
どう
)
に
燃
(
も
)
えうつるのを
防
(
ふせ
)
ぎました。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
その
時
(
とき
)
、
黒装束
(
くろせうぞく
)
に
覆面
(
ふくめん
)
した
怪物
(
くわいぶつ
)
が澤村路之助丈えと
染
(
そ
)
めぬいた
幕
(
まく
)
の
裏
(
うら
)
からあらはれいでヽ
赤
(
あか
)
い
毛布
(
けつと
)
をたれて、
姫君
(
ひめぎみ
)
の
死骸
(
しがい
)
をば
金泥
(
きんでい
)
の
襖
(
ふすま
)
のうらへと
掃
(
は
)
いていつてしまつた。
桜さく島:見知らぬ世界
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
黒縮
(
くろちり
)
つくりで
裏
(
うら
)
から出て来たのは、
豈斗
(
あにはか
)
らんや
車夫
(
くるまや
)
の女房、一
町
(
てう
)
許
(
ばかり
)
行
(
ゆ
)
くと
亭主
(
ていし
)
が待つて
居
(
ゐ
)
て、そらよと
梶棒
(
かぢぼう
)
を
引寄
(
ひきよ
)
すれば、
衣紋
(
えもん
)
もつんと
他人行儀
(
たにんぎようぎ
)
に
澄
(
す
)
まし返りて急いでおくれ。
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
少し
裏
(
うら
)
平
(
たいら
)
みて、長きところ五寸余り、幅は四寸ばかりにて、ところどころ高低ありて形を失い、裁ち割りて見るに、玉の性変じていたく色も乱れ、いまや腐れ出ずべきさまなり。
玉取物語
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
せっかくの
悪企
(
わるだく
)
みも水の
泡
(
あわ
)
になり定めし
其奴
(
そやつ
)
は案に相違していることでござりましょうほんに
私
(
わたくし
)
は不仕合わせどころかこの上もなく仕合わせでござります
卑怯
(
ひきょう
)
な奴の
裏
(
うら
)
を
掻
(
か
)
き鼻を
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
りこうぶった私の
計略
(
けいりゃく
)
は、
狼王
(
ろうおう
)
ロボのためにすっかり
裏
(
うら
)
をかかれてしまったのである。
動物物語 狼の王ロボ
(新字新仮名)
/
アーネスト・トンプソン・シートン
(著)
軌道
(
レール
)
と
直角
(
ちよくかく
)
に
細長
(
ほそなが
)
い
茅葺
(
くさぶき
)
の
農家
(
のうか
)
が一
軒
(
けん
)
ある
其
(
そ
)
の
裏
(
うら
)
は
直
(
す
)
ぐ
山
(
やま
)
の
畑
(
はたけ
)
に
續
(
つゞ
)
いて
居
(
ゐ
)
るらしい。
家
(
いへ
)
の
前
(
まへ
)
は
廣庭
(
ひろには
)
で
麥
(
むぎ
)
などを
乾
(
ほ
)
す
所
(
ところ
)
だらう、
廣庭
(
ひろには
)
の
突
(
つ
)
きあたりに
物置
(
ものおき
)
らしい
屋根
(
やね
)
の
低
(
ひく
)
い
茅屋
(
くさや
)
がある。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
お政はそこをおりていったが、
裏
(
うら
)
のほうからすぐ長女の七つになるのを
連
(
つ
)
れてきた。
告げ人
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
一
體
(
たい
)
詩
(
し
)
を
吟
(
ぎん
)
ずることの
好
(
すき
)
な
人
(
ひと
)
で、
裏
(
うら
)
の
僧院
(
そうゐん
)
でも、
夜
(
よる
)
になると
詩
(
し
)
を
吟
(
ぎん
)
ぜられました。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
今
(
いま
)
まで
前面
(
ぜんめん
)
に
見
(
み
)
てゐた
五月山
(
さつきやま
)
の
裏
(
うら
)
を、これからは
後方
(
うしろ
)
に
振
(
ふ
)
りかへるやうになつた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
其
(
そ
)
の
聽衆
(
てうしゆう
)
は
愛
(
あい
)
ちやんが
毛蟲
(
けむし
)
に、『
裏
(
うら
)
の
老爺
(
ぢい
)
さん』を
復誦
(
ふくせう
)
して
聞
(
き
)
かす
段
(
だん
)
になる
迄
(
まで
)
は、
全
(
まつた
)
く
靜
(
しづ
)
かにしてゐましたが、
全然
(
まるで
)
間違
(
まちが
)
つたことばかり
言
(
い
)
ふので、
海龜
(
うみがめ
)
は
呆
(
あき
)
れ
返
(
かへ
)
つて、『
可笑
(
をか
)
しなこと』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
遠いところで
呼
(
よ
)
んでいるのが、だんだん近くなって来て、
太
(
ふと
)
い声が耳のそばでひびくのを聞いた時に、清造は、はっとわれに返りました。気がついてみると、それは
凧屋
(
たこや
)
の店の
裏
(
うら
)
でした。
清造と沼
(新字新仮名)
/
宮島資夫
(著)
此
(
この
)
人は
我楽多文庫
(
がらくたぶんこ
)
の
第
(
だい
)
二
期
(
き
)
の
頃
(
ころ
)
既
(
すで
)
に入社して
居
(
ゐ
)
たのであるが、
文庫
(
ぶんこ
)
には書いた物を出さなかつた、
俳諧
(
はいかい
)
は
社中
(
しやちう
)
の
先輩
(
せんぱい
)
であつたから、
戯
(
たはむれ
)
に
宗匠
(
そうせう
)
と
呼
(
よ
)
んで
居
(
ゐ
)
た、
神田
(
かんだ
)
の
五十稲荷
(
ごとふいなり
)
の
裏
(
うら
)
に
住
(
す
)
んで
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
此の相續人になツた資格の
裏
(
うら
)
には、
種馬
(
たねうま
)
といふ
義務
(
ぎむ
)
が
擔
(
にな
)
はせられてゐた。それで彼が甘三四と]なると、もう其の
候補者
(
こうほじや
)
まで
作
(
こしら
)
へて、結婚を
迫
(
せ
)
まられた。無論周三は、此の要求を峻拒した。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
遂々
(
とう/\
)
、お
上
(
かみ
)
さんは
腹
(
はら
)
を
立
(
た
)
てて、それをすつかり
裏
(
うら
)
の
竹藪
(
たけやぶ
)
にすてました。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
「根岸の
御隱殿
(
ごいんでん
)
裏
(
うら
)
の市太郎殺しの後日物語があるんで——」
銭形平次捕物控:138 第廿七吉
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それは
斯
(
こ
)
ういう
次第
(
しだい
)
じゃ。すべて
物
(
もの
)
には
表
(
おもて
)
と
裏
(
うら
)
とがある。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
その
裏
(
うら
)
の寂しい
生活
(
くらし
)
をさしのぞくやうに
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
釣針は
表
(
おもて
)
から
裏
(
うら
)
へ突き通っていた。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
“裏”の意味
《名詞》
(うら)衣服で人の目につかない部分に使われる布地。
(うら)外から見えない位置。見ただけでは解らない部分。
(うら)秘密の場。
(うら)原因と結果の両方を否定したもの。
(出典:Wiktionary)
裏
常用漢字
小6
部首:⾐
13画
“裏”を含む語句
表裏
裏庭
裏通
那裏
内裏
裏返
裏面
天井裏
裏表
紅裏
裏階子
麻裏草履
這裏
裏家
家裏
袖裏
裏切者
裏店
囲炉裏
裏梯子
...