“往日”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いつぞや25.0%
さきつひ25.0%
いつか12.5%
さき12.5%
むかし12.5%
わうじつ12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
往日いつぞやもお話致しましたが、金力で無理に私を奪つて、遂にこんな体にして了つた、謂はば私のかたきも同然なので。成程人は夫婦とも申しませうが私の気では何とも思つてをりは致しません。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
わが前にゆく者我にかゝる生を棄てしむ、こは往日さきつひこれの——かくいひて日をさし示せり——姉妹の圓く現はれし時の事なり 一一八—一二〇
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
往日いつか話した通り、私は身寄も友達も無いと謂つて可いくらゐの独法師ひとりぼつちの体だから、気分が悪くても、たれ一人薬を飲めと言つてくれる者は無し、何かに就けてそれは心細いのだ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
そしてヨブの所に来り見れば往日さきの繁栄、往日の家庭、往日の貴き風采ふうさい悉く失せて今は見る蔭もなく、身は足のうらよりいただきまで悪しき腫物はれものに悩み
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
その往日むかしそこの斷崖ガンケぢて此方のいりうみの岸を見かへしたことがある、私の十六の春を回想した。
地方主義篇:(散文詩) (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
わが手は戸に触れて音なふ声と共に、中には早や珍客の来遊におどろける言葉を洩らせるものあり。わがおんむかしに変らぬか、なつかしきものは往日わうじつ知音ちいんなり。
三日幻境 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)