往日いつぞや)” の例文
往日いつぞやもお話致しましたが、金力で無理に私を奪つて、遂にこんな体にして了つた、謂はば私のかたきも同然なので。成程人は夫婦とも申しませうが私の気では何とも思つてをりは致しません。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
よもやとおもへどまさしくならばなんとせん實否じつぴくはしくきたしとおもへどとがむるこゝろことばつまりて應答こたへなにやらうろうろになりぬおたかさまゆるりなされいまあにもどりまするまづそれよりはおけたきもの往日いつぞやはなまをせしあに祕藏ひざう畫帖ぐわでうイエおまへさまに御覽ごらんるゝにめられこそすれなにとして小言こごとくことでは
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)