二回うら)” の例文
二回うらにはやはり玉琴の客と一緒に来た。三回なじみを過ぎてからは一人でたびたび来るようになった。
箕輪心中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
いま花魁の出ているは矢ッ張り軍艦ふねのお客で、今夜は二回うらをかえしにお出でなされたんでげすから、疎末そまつにはしない、しきりに一昨夜おとついのばん不勤ふづとめを詫していると、新造しんぞが廊下から
江戸のよし原のいわゆる花魁おいらんなるものが、野州在の女ばかりを見馴れていた彼の眼に、いかに美しく神々こうごうしく映ったかは言うまでもなかった。彼はまた次の夜すぐに二回うらを返した。
籠釣瓶 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)