うら)” の例文
便たよりねえ身の上はうらばかしでねえ、一人法師ひとりぼつちが二人寄りや、もう一人法師でねえちふもんだ、といふやうな気にもなる。
椋のミハイロ (新字旧仮名) / ボレスワフ・プルス(著)
「だつて、そのくれゐあためへだア。お前さアばか、勝手な真似して、うらとがめられるせきはねえだ」
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
前様まえさまア丹波屋でまんまアたべて居たが、雨たんと降らねえうち段々人が出て来たが、まだ沢山客がえうちうらと此の鹿はちはすけえに並んで飯たべて居ると、お前様ア斯う並んで酒え呑んで
うらのような百姓にそべへ参ってゆっくりてえ挨拶して行くたアえらいねえと噂アして、おめえさま帰って仕舞ったあとで見ると置いたつゝみえから後を追掛おっかけておまえさまア尋ねたが、混雑中こむなかだから知れましねえ
「何も心配しんぺえしるでねえ。うらにしの分まで稼いでやるだから。」
椋のミハイロ (新字旧仮名) / ボレスワフ・プルス(著)