“うらみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ウラミ
語句割合
42.9%
26.7%
怨恨12.4%
10.9%
遺恨2.5%
浦廻1.2%
怨言1.2%
怨念0.6%
意恨0.3%
浦回0.3%
怨嗟0.3%
紅怨0.3%
裏見0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
第十五条 うらみを構へあだを報ずるは、野蛮の陋習にして卑劣の行為なり。恥辱をそそぎ名誉を全うするには、すべからく公明の手段をえらむべし。
修身要領 (新字旧仮名) / 福沢諭吉慶應義塾(著)
それは紛れもない多与里——曾てはお七のモテルになって、散々恋の遊戯をした相手の、多与里のうらみに燃ゆる顔ではありませんか。
……雲を貫く、工場の太い煙は、丈に余る黒髪が、もつれて乱れるよう、そして、さかさまに立ったのは、とこしえに消えぬ人々の怨恨うらみと見えた。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
顔淵季路きろ侍す。子曰く、なんぞ各なんじの志を言わざると。子路曰く、願わくは車馬衣軽裘けいきゅう、朋友と共にし、之をやぶりてうらみ無からんと。
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
つぼみで散つた昔の遺恨うらみを長き紀念かたみの花吉と云ふ、一生の恋知らずが、養母さん、お蔭様で一匹出来上りましたのサ——ヤレ侯爵の殿様だの、大勲位の御前ごぜんだのと、聞くさへもけがらはしい
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
風速かざはやの三浦廻うらみ、貝島のこの高殿は、あめなるや不二をふりさけ、清見潟満干みちひの潮に、朝日さし夕日照りそふ。
(新字旧仮名) / 北原白秋(著)
今はなかなかふみ便たよりもあらじと教へられしを、筆持つはまめなる人なれば、長き長き怨言うらみなどは告来つげこさんと、それのみはたなごころを指すばかりに待ちたりしも、疑ひし卜者のことばは不幸にもあやまたで
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
春水堂がかねて雪之丞にめて書き下した、「逢治世滝夜叉譚ときにあうたきやしゃばなし」で、将門まさかど息女むすめ滝夜叉たきやしゃが、亡父の怨念うらみを晴そうため、女賊となり、遊女となり、肝胆を砕いて、軍兵を集め、妖術を駆使して
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
その事なれば及ばずながら、某一肢の力を添へん。われ彼の金眸きんぼう意恨うらみはなけれど、彼奴きゃつ猛威をたくましうして、余の獣類けものみだりにしいたげ。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
他は犬われは狐、とてもかなはぬ処なれば、復讐あだがえしも思ひとどまりて、意恨うらみのんで過ごせしが。大王、やつがれ不憫ふびん思召おぼしめさば、わがためにあだを返してたべ。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
玉津島たまつしま磯の浦回うらみ真砂まさごにもにほひて行かな妹が触りけむ」(同・一七九九)というので、いずれも哀深いものである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
... 集中、松浦船まつらぶね伊豆手船いづてぶね足柄小船あしがらをぶねなどいふあるも、みなこの類とすべし」とあり、「浦回うらみ榜ぐ熊野舟つきめづらしく懸けて思はぬ月も日もなし」(巻十二・三一七二)の例がある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
上の句の頭字を五十音順に列べた其配列法ならべかたが、最初少からず富江の怨嗟うらみを買つた。しかし富江も仲々信吾に劣らなかつた。そして組を分ける毎に、信吾と敵になるのを喜んだ。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
くるま左右さいうとゞく、数々かず/\たきおもても、裏見うらみ姿すがたも、燈籠とうろうともして、釣舟草つりぶねさういてく。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)