意恨うらみ)” の例文
その事なれば及ばずながら、某一肢の力を添へん。われ彼の金眸きんぼう意恨うらみはなけれど、彼奴きゃつ猛威をたくましうして、余の獣類けものみだりにしいたげ。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
他は犬われは狐、とてもかなはぬ処なれば、復讐あだがえしも思ひとどまりて、意恨うらみのんで過ごせしが。大王、やつがれ不憫ふびん思召おぼしめさば、わがためにあだを返してたべ。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
されば暫く心を静め給ひて、わがいふ事を聞き給へ。そもその獲物と申すは、この山のふもとの里なる、荘官しょうやが家の飼犬にて、僕かれには浅からぬ意恨うらみあり。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)