うら)” の例文
旧字:
お登和さん、ホントに今だして下すった松茸は良い品物ばかりですね。何故なぜ良い品ばかり揃えて直段ねだんを高くしてうらないでしょう。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
すぎとし北国より人ありてこぶしの大さの夜光やくわうの玉あり、よく一しつてらす、よきあたひあらばうらんといひしかば、即座そくざに其人にたくしていはく、其玉もとめたし
全体小癪こしゃく旅烏たびがらすと振りあぐるこぶし。アレと走りいずるお辰、吉兵衛も共にとめながら、七蔵、七蔵、さてもそなたは智慧ちえの無い男、無理にうらずとも相談のつきそうな者を。
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
売はせぬかと問ますと其様な者はうらぬと云いますそれなら若し其製法でも知ては居ぬかと問ましたら自分は知らぬが自分の親友で居留地三号の二番館に居る同国人が今年未だ四十四五だのに白髪だらけでいつも自分で染粉そめこ
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
すぎとし北国より人ありてこぶしの大さの夜光やくわうの玉あり、よく一しつてらす、よきあたひあらばうらんといひしかば、即座そくざに其人にたくしていはく、其玉もとめたし
四の五のなしとは結構なおおせ、私も手短く申しましょうならお辰様をうらせたくなければ御相談。ふざけた囈語ねごとおいてくれ。コレ七、しずかに聞け、どうか売らずと済む工夫をと云うをも待たず。
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
うしろ見られぬうらみし別離わかれの様まで胸にうかびてせつなく、娘、ゆるしてくれ、今までそなたに苦労させたはわが誤り、もう是からは花もうらせぬ、襤褸つづれも着せぬ、荒き風をその身体からだにもあてさせぬ
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)