トップ
>
裏面
>
うら
ふりがな文庫
“
裏面
(
うら
)” の例文
あの人はエライ人だとか、何だとか言われる人でも、私は直にその人の
裏面
(
うら
)
を見ちゃってよ——妙に、私には解るの——解るように成って来るの
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
谷山家の養子事件を
裏面
(
うら
)
からアヤツリ廻して来た、冷血残忍なAの手の動きを、ハッキリと見透かしながら、お話する事が出来るのですからね……。
キチガイ地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
この女の素性に
於
(
お
)
ける彼の疑は
益
(
ますます
)
暗くなりぬ。
夫有
(
つまも
)
てる身の我は顔に名刺を用意せるも
似気無
(
にげな
)
し、まして
裏面
(
うら
)
に横文字を入れたるは、
猶可慎
(
なほつつまし
)
からず。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
しかし、こちらの
世界
(
せかい
)
へ
来
(
き
)
て、だんだん
裏面
(
うら
)
から、
人間
(
にんげん
)
の
生活
(
せいかつ
)
を
眺
(
なが
)
めることが、できるようになって
見
(
み
)
ると、
自分
(
じぶん
)
の
間違
(
まちが
)
っていたことがよく
判
(
わか
)
るようになりました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
頭の毛は赤いインキで塗ってある。
裏面
(
うら
)
には「是でも申込んだのよ」と書いてある。赤旦那が青旦那に変色した頃は、乃公は干葡萄をもう一掴み貰って、外へ出て躍っていた。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
▼ もっと見る
中には父兄の
使嗾
(
しそう
)
によって、かえって盛んに自尊心を高ぶらす者もあるやに聞きますが、しかもその
裏面
(
うら
)
において、いっそう気の毒な心の底のあることを、考えねばなりません。
融和促進
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
塔
(
たう
)
は
高
(
たか
)
さ三
尺
(
じやく
)
五
寸
(
すん
)
、
三尖方形
(
さんせんほうけい
)
の
大理石
(
だいりせき
)
で、
其
(
その
)
滑
(
なめらか
)
なる
表面
(
ひやうめん
)
には「
大日本帝國新領地朝日島
(
だいにつぽんていこくしんりようちあさひとう
)
」なる十一
字
(
じ
)
が
深
(
ふか
)
く
刻
(
きざ
)
まれて、
塔
(
たふ
)
の
裏面
(
うら
)
には、
發見
(
はつけん
)
の
時日
(
じじつ
)
と、
發見者
(
はつけんしや
)
櫻木海軍大佐
(
さくらぎかいぐんたいさ
)
の
名
(
な
)
とが
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
ははあ、
文盲
(
もんもう
)
とみえるな。読んで聞かせる。その
裏面
(
うら
)
を返してみい。——
楮幣
(
チヨヘイ
)
ハ銅幣『
乾坤通宝
(
ケンコンツウホウ
)
』ト同ジク
併
(
アハ
)
セ用ヒ、一切ノ交易ニ
滞
(
トドコホ
)
リアル
莫
(
ナカ
)
レ——としてあるのだ。よくおぼえておけ。
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
夜
(
よる
)
は黒…………
銀箔
(
ぎんぱく
)
の
裏面
(
うら
)
の黒。
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
おお厳粛な一面の
裏面
(
うら
)
に
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
裏面
(
うら
)
には伶人
額
(
ぬか
)
をたれて
古盃
(旧字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
「すっかり私は叔父さんの
裏面
(
うら
)
を見ちゃってよ——三吉叔父さんという人はよく解ってよ」こう骨を
刳
(
えぐ
)
るような姪の眼の光を、三吉は忘れることが出来なかった。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
その得意そうな
背後
(
うしろ
)
姿を睨みながら、戸塚が地下足袋の
裏面
(
うら
)
をチョット裏返してみた。
オンチ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
あるひは、貴方等の目から御覧に成つたらば、
吾儕
(
わたしども
)
の
事業
(
しごと
)
は
華麗
(
はで
)
でせう。
成程
(
なるほど
)
、
表面
(
うはべ
)
は華麗です。しかし、これほど表面が華麗で、
裏面
(
うら
)
の悲惨な
生涯
(
しやうがい
)
は他に有ませうか。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
それから
後
(
のち
)
は一人で留守番をするたんびに、少しずつ
裏面
(
うら
)
の紙を引き
剥
(
は
)
いで壊れた幻燈の
眼鏡
(
めがね
)
で糸の配りを覗いては、
絳絹
(
もみ
)
の
布片
(
きれ
)
に写しておりましたが、見付かると大変ですから
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
“裏面”の意味
《名詞》
視覚の対象である面と逆側(裏)にある面。
外部に知られていない部分。内幕。
(出典:Wiktionary)
裏
常用漢字
小6
部首:⾐
13画
面
常用漢字
小3
部首:⾯
9画
“裏面”で始まる語句
裏面帯白