それ)” の例文
或時あるとき土方どかたとなり、或時あるときは坑夫となって、それからそれへと際限はてしもなく迷い歩くうちに、二十年の月日は夢と過ぎた。彼の頭には白髪しらがえた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
この騒ぎを聞付ききつけて、町の家々でも雨戸を明けた。「賊だ、賊だ。」と叫ぶ声がそれからそれへと伝えられた。重太郎は哀れや逃場にげばを失った。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
したがって彼の性質もいよいひがんで来て、仕事を怠ける、喧嘩をする、酒を飲む、それからそれへと堕落して、はては第二の親とも云うべき角川一家の人々からも見放されるようになった。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)