よろひ)” の例文
かれかぎを以ちて、その沈みし處を探りしかば、その衣の中なるよろひかりて、かわらと鳴りき。かれ其所そこに名づけて訶和羅の前といふなり。
篠懸すゞかけの木よ、總大將が乘る親船おやぶね帆檣ほばしら、遠い國の戀に向ふはらんだ帆——男の篠懸すゞかけ種子たねを風に石弩いしゆみの如く、よろひを通し腹を刺す——女の篠懸すゞかけ始終しじゆう東をばかり氣にしてゐて定業ぢやうごふ瞑想めいさうする
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
さう言へばあの方が壮盛わかざかりに、矛使ほこゆけをこのんで、今にも事あれかしと謂つた顔で、立派なよろひをつけて、のつし/\と長い物をいて歩いたお姿が、ちらつくやうだなどゝ、相槌をうつ者も出て来た。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
藤の花かも胸のもゝよろひをおくごとく
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
おまへ達は科学主義のよろひを着て
晶子詩篇全集拾遺 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
すなはちみその中によろひし、弓矢をばして、馬に乘りて出で行きて、忽の間に馬より往きならびて、矢を拔きて、その忍齒の王を射落して、またそのみみを切りて、馬ぶねに入れて