かう)” の例文
途端とたんまたゆびてつゝ、あし一巾ひとはゞ坊主ばうず退さがつた。いづれ首垂うなだれた二人ふたりなかへ、くさかうをつけて、あはれや、それでもなまめかしい、やさしいかひな仰向あふむけにちた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
代助はかぜを恐れて鳥打とりうち帽をかぶつてゐた。かぜは漸くんで、強いくも隙間すきまからあたまうへらした。さきく梅子と縫子はかさひろげた。代助は時々とき/″\かうひたひまへかざした。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
いゝ塩梅あんばい今日けふみづがふへてりますから、なかはいりませんでも此上このうへうございます。)とかうひたして爪先つまさきかゞめながら、ゆきのやうな素足すあしいしばんうへつてた。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
つゝしんでつてる、小刀こがたな受取うけとると、取合とりあつたはなして、やはらかに、やさしく、雪枝ゆきえかうの、かたつてゆびうごかぬを、でさすりつゝ、美女たをやめてのひらにぎらせた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)