“甲(ひとり)” の例文
渓流(たにがわ)の音が遠く聞ゆるけれど、二人の耳には入らない。甲(ひとり)の心は書中(しょちゅう)に奪われ、乙(ひとり)は何事か深く思考(おもい)に沈んでいる。
恋を恋する人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「左様(そう)サね、僕は忘れて了った。……何とか言ったッけ。」と甲(ひとり)は書籍(ほん)を拾い上げて、何気(なにげ)なく答える。
恋を恋する人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
甲乙(ふたり)は無言で煙草を喫っている。甲(ひとり)は書籍(ほん)を拈繰(ひねく)って故意(わざ)と何か捜している風を見せていたが
恋を恋する人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)