磁器じき)” の例文
磁器じき陶器とうきも共に作ります。大体北国には磁土じどが少いのでありますが、ここの茶器、とくに急須きゅうすの如きは販路を広めました。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
きたまくらに、しずかにじている菊之丞きくのじょうの、おんなにもみまほしいまでにうつくしくんだかおは、磁器じきはだのようにつめたかった。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
彼女を長椅子ながいすに呼びよせてたちまち膝一ぱいに彼女の『箱』の磁器じきだの象牙ざうげだの、蝋などの中味をひろげ、同時に彼女の覺えたあやしげな英語で説明したり喜んだりするのだつた。
白いそらが高原の上いっぱいにって高陵産カオリンさん磁器じきよりもっとつめたく白いのでした。
インドラの網 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
古き磁器じきひさぐ店をあさり
忘春詩集:02 忘春詩集 (新字旧仮名) / 室生犀星(著)
弟子でし藤吉とうきちから、おせんがたとのらせをいた春信はるのぶは、たばかりでかおあらっていなかったが、とりあえず画室がしつとおして、磁器じきはだのようにんだおせんのかおを、じっと見詰みつめた。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
有名な有田ありた磁器じきはかくして起ったのであります。李参平りさんぺいという人がその開祖として名が残ります。古薩摩こさつまと呼ばれるものも、かくして始まりました。有名な唐津も新しく仕事を起しました。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)