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金塊
ある
時老人が
口をすべらし、
金の
売買が
自由になつた
話をしたものだから、ハッキリとそれは
金塊だろうということがわかつたわけです。
いつだか銀座のある時計屋の飾窓の硝子を
悪漢が
煉瓦で
叩き破って、その中にあった二万円の
金塊を盗んで行ったことがあります。あの調子です。
ひとたび
土中にうずもれた
金塊は、かならず、いつか
土の
下から
光を
放つときがあるように、
利助の
作品が、また、
芸術を
愛好する
人たちから
騒がれるときがきたのでした。