金塊きんかい)” の例文
あるとき老人ろうじんくちをすべらし、きん売買ばいばい自由じゆうになつたはなしをしたものだから、ハッキリとそれは金塊きんかいだろうということがわかつたわけです。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
いつだか銀座のある時計屋の飾窓の硝子を悪漢あっかん煉瓦れんがたたき破って、その中にあった二万円の金塊きんかいを盗んで行ったことがあります。あの調子です。
崩れる鬼影 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ひとたび土中どちゅうにうずもれた金塊きんかいは、かならず、いつかつちしたからひかりはなつときがあるように、利助りすけ作品さくひんが、また、芸術げいじゅつ愛好あいこうするひとたちからさわがれるときがきたのでした。
さかずきの輪廻 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして甲州こうしゅうには昔からの金坑きんこうがあるから、できうるかぎりの金塊きんかいを浜松におくれとめいじた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
修理された古い宇宙艇が、すこしばかりの金塊きんかいを土産に、「危難きなんの海」近くコンドルセを出発したのは、月世界に到着してから十日後のことだった。
月世界探険記 (新字新仮名) / 海野十三(著)
刈谷音吉かりやおときちは、最近さいきんのことだが、だいぶたくさんに金塊きんかいいこんでいたそうですよ。ふる小判こばんなどもあるそうで、これは地金屋ぢがねやからの聞込ききこみですが」
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
自宅じたくには、金塊きんかいこそないけれど、でめきん、りゆうきん、しゆぶんきん、各種各様かくしゅかくよう金魚きんぎょつてある。ランチュウを木製もくせいはちにいれてながいことながめて、うれしそうに口笛くちぶえをふきだした。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
はじめ猿田さんは、金塊きんかいを持って艇内に入って来ましたが、もう一度取りにゆくから一緒にゆけといって、私を先に地上に下ろすと、私のすきをうかがってドンとピストルで撃ったのです。
月世界探険記 (新字新仮名) / 海野十三(著)
銀座の花村貴金属店の飾窓ショー・ウィンドーをガチャーンとこわす覆面の怪漢が浮ぶ。九万円の金塊きんかい小脇こわきかかえて走ってゆくうちに、覆面がパラリと落ちて、その上から現れたのは赤ブイの仙太の赤づらだ。
疑問の金塊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「銀座の金塊きんかいは、私がやったのじゃありませんぜ」
疑問の金塊 (新字新仮名) / 海野十三(著)