字架じか)” の例文
翌朝よくちょうセルゲイ、セルゲイチはここにて、熱心ねっしんに十字架じかむかって祈祷きとうささげ、自分等じぶんらさき院長いんちょうたりしひとわしたのであった。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
見つけ次第に十字架じかを背負わせて、仮借なきサビヤリを加えた数は、かの切支丹鮮血遺書やその他の殉教史が示すとおりであります。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
昔、磔刑はりつけになる人間は、十字架じかの上へ乗せられると、すでに半分正気しょうきを失って居たと云うが、己は椅子にこしをかけたとたんにもう、催眠術にかゝッて居た。
小僧の夢 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
キリストが無遠慮に自分の思想の実行をつとめたから、時の官憲僧侶そうりょから邪魔視じゃましされ、耶蘇やそほどにはびこる、いやなものはないと思われたればこそ、十字架じかの上にその一生を終わったのである。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
翌朝よくてうセルゲイ、セルゲヰチはこゝて、熱心ねつしんに十字架じかむかつて祈祷きたうさゝげ、自分等じぶんらさき院長ゐんちやうたりしひとはしたのでつた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
わたくし屹度きつと此度こんど瑞典スウエーデン北極星ほくきよくせい勳章くんしやうもらはうとおもつてるです、其勳章そのくんしやうこそはほね甲斐かひのあるものです。しろい十字架じかに、くろリボンのいた、れは立派りつぱです。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
わたくしはきっとこんどは瑞典スウェーデン北極星ほっきょくせい勲章くんしょうもらおうとおもっておるです、その勲章くんしょうこそはほね甲斐かいのあるものです。しろい十字架じかに、くろリボンのいた、それは立派りっぱです。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)