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じか
ふりがな文庫
“
自家
(
じか
)” の例文
「いや、話してくれないでも好い。
厭
(
いや
)
だと云うものに無理に貰ってもらいたくはない。しかし本人が来て
自家
(
じか
)
に訳を話すが好い」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
職業が新聞記者で
始終
(
しじゅう
)
自家
(
じか
)
の説ばかり主張しているから、
他
(
ひと
)
の言うことが容易に耳に入らないのだろう。但しイヨイヨ逃げ切れなくなれば
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
このごろ世間に、皇学・漢学・洋学などいい、おのおの
自家
(
じか
)
の学流を
立
(
たて
)
て、たがいに相
誹謗
(
ひぼう
)
するよし。もってのほかの事なり。
中津留別の書
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
勿論他人の芸術がわからずとも、トルストイのやうな堂々たる
自家
(
じか
)
の芸術を持つてゐれば、
毛頭
(
まうとう
)
差支
(
さしつか
)
へはなきやうなり。
雑筆
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
綾之助は芸にも
自家
(
じか
)
の
見
(
けん
)
を立てているように、子女の教育の上にも一家の見識を持っている。娘たちの長所短所を見分けて、学ぶところを選ませている。
竹本綾之助
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
▼ もっと見る
「それは
普通
(
ふつう
)
無智
(
むち
)
な
女
(
おんな
)
に
対
(
たい
)
してのことさ。I
子
(
こ
)
ならS、H
君
(
くん
)
でもきつとおとなしくするよ。」
私
(
わたし
)
は
自家
(
じか
)
謙
(
けん
)
遜の
意味
(
いみ
)
で
言
(
い
)
つたが、いくらかの
皮肉
(
ひにく
)
もないとは
言
(
い
)
へなかつた。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
病院
(
びやうゐん
)
などに
入
(
はひ
)
るものは、
皆
(
みんな
)
病人
(
びやうにん
)
や
百姓共
(
ひやくしやうども
)
だから、
其位
(
そのくらゐ
)
な
不自由
(
ふじいう
)
は
何
(
なん
)
でも
無
(
な
)
いことである、
自家
(
じか
)
にゐたならば、
猶更
(
なほさら
)
不自由
(
ふじいう
)
を
爲
(
せ
)
ねばなるまいとか、
地方自治體
(
ちはうじちたい
)
の
補助
(
ほじよ
)
もなくて
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
其後故人も彼も前後に新聞社を出て、おの/\
自家
(
じか
)
の路を歩み、顔を見ること稀に、消息を聞かぬ日多く打過ぎた。然し彼は一度故人と真剣の話をしたいと久しく思うて居た。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
この
機会
(
きかい
)
に乗じて
自
(
みず
)
から
利
(
り
)
し
自家
(
じか
)
の
懐
(
ふところ
)
を
肥
(
こ
)
やさんと
謀
(
はか
)
りたるものも少なからず。
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
唯
骨董
(
こっとう
)
としてこれを好むものが
弄
(
もてあそ
)
んでいればよいものだと称して、人に意見をきかれても笑って答えず、同僚の教授連とも深くは
交
(
まじわ
)
らず、唯
自家
(
じか
)
の好む所に従って専ら
老荘
(
ろうそう
)
の学を研究し
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
事件のあった日の
暁
(
あかつき
)
、彼は
自家
(
じか
)
の
売品
(
ばいひん
)
たるフィルムを一本と現像液を準備して、それに店にあった小形撮影機を一台と、パンや
蜜柑
(
みかん
)
などの食料品、束髪の
西洋鬘
(
せいようかつら
)
などを一緒に風呂敷に包み
電気風呂の怪死事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
外人
(
ぐわいじん
)
の
地震説
(
ぢしんせつ
)
は一
見
(
けん
)
甚
(
はなは
)
だ
適切
(
てきせつ
)
であるが
如
(
ごと
)
くであるが、
要
(
えう
)
するにそは、
今日
(
こんにち
)
の
世態
(
せたい
)
をもつて、いにしへの
世態
(
せたい
)
を
律
(
りつ
)
せんとするもので、いはゆる
自家
(
じか
)
の
力
(
ちから
)
を
以
(
もつ
)
て
自家
(
じか
)
を
強壓
(
けうあつ
)
するものであると
思
(
おも
)
ふ。
日本建築の発達と地震
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
この詩を
瞥見
(
べっけん
)
すれば、抽斎はその貧に安んじて、
自家
(
じか
)
の
材能
(
さいのう
)
を父祖伝来の医業の上に施していたかとも思われよう。しかし私は抽斎の不平が二十八字の底に隠されてあるのを見ずにはいられない。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
県会議員や
郷先生
(
ごうせんせい
)
をする傍、殖産興業の率先をすると謂って、
女
(
むすめ
)
を製糸場の模範工女にしたり、
自家
(
じか
)
でも
養蚕
(
ようさん
)
製糸
(
せいし
)
をやったり、
桑苗販売
(
そうびょうはんばい
)
などをやって、いつも損ばかりして居た。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
病院
(
びょういん
)
などに
入
(
はい
)
るものは、
皆
(
みんな
)
病人
(
びょうにん
)
や
百姓共
(
ひゃくしょうども
)
だから、その
位
(
くらい
)
な
不自由
(
ふじゆう
)
は
何
(
なん
)
でも
無
(
な
)
いことである、
自家
(
じか
)
にいたならば、なおさら
不自由
(
ふじゆう
)
をせねばなるまいとか、
地方自治体
(
ちほうじちたい
)
の
補助
(
ほじょ
)
もなくて
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
今日
(
こんにち
)
迄
(
まで
)
の
經過
(
けいくわ
)
から
推
(
お
)
して、
凡
(
すべ
)
ての
創口
(
きずぐち
)
を
癒合
(
ゆがふ
)
するものは
時日
(
じじつ
)
であるといふ
格言
(
かくげん
)
を、
彼
(
かれ
)
は
自家
(
じか
)
の
經驗
(
けいけん
)
から
割
(
わ
)
り
出
(
だ
)
して、
深
(
ふか
)
く
胸
(
むね
)
に
刻
(
きざ
)
み
付
(
つ
)
けてゐた。それが
一昨日
(
をとゝひ
)
の
晩
(
ばん
)
にすつかり
崩
(
くづ
)
れたのである。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
この軽薄な、作者を
自家
(
じか
)
の職人だと心得ている男の口から、呼びすてにされてまでも、原稿を書いてやる必要がどこにある?——
癇
(
かん
)
のたかぶった時々には、こう思って腹を立てたことも、
稀
(
まれ
)
ではない。
戯作三昧
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
小林の語気は、貧民の弁護というよりもむしろ
自家
(
じか
)
の弁護らしく聞こえた。しかしむやみに取り合ってこっちの体面を
傷
(
きずつ
)
けられては困るという用心が頭に働くので、津田はわざと議論を避けていた。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“自家”の意味
《名詞》
自分の家。
自分自身のこと。
(出典:Wiktionary)
自
常用漢字
小2
部首:⾃
6画
家
常用漢字
小2
部首:⼧
10画
“自家”で始まる語句
自家撞着
自家中毒
自家薬籠
自家使
自家織
自家製
自家受精
自家薬籠中
自家証得底