“魍魎”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
もうりょう44.4%
あやかし16.7%
モノ16.7%
まうりやう11.1%
もの11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
黒地の単衣の襟を抜いて、睫毛まつげまばらな目をつぶって、水気の来たような指を組んで、魍魎もうりょうのごとくのっさりと、畳一ぱいに坐っていました。
妖婆 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
何やら魍魎あやかしが、自分の喉笛のどぶえを狙っているのを、夢心地に気が付いたのです。
帷帳トバリを周らした中は、ほの暗かつた。其でも、山の鬼神モノ、野の魍魎モノを避ける爲の燈の渦が、ぼうと梁に張り渡した頂板ツシイタユラめいて居るのが、たのもしい氣を深めた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
寢苦ねぐるしおもひのいきつぎに朝戸あさどると、あのとほれまはつたトタンいた屋根板やねいたも、大地だいちに、ひしとなつてへたばつて、魍魎まうりやうをどらした、ブリキくわん瀬戸せとのかけらもかげらした。
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
帷帳とばりを周らした中は、ほの暗かつた。其でも、山の鬼神もの、野の魍魎ものを避ける為の燈の渦が、ぼうと梁に張り渡した頂板つしいたに揺らめいて居るのが頼もしい気を深めた。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)