“帷帳”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
とばり61.1%
トバリ16.7%
いちょう11.1%
カアテン5.6%
カーテン5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
部屋のあらゆる部分に懸っている立派な帷帳とばりは、その源の見出さるべくもない、低い、憂鬱な音楽の顫音せんおんにつれて震えていた。
郎女は目をツブつた。だが——瞬間マツゲの間からウツつた細い白い指、まるで骨のやうな——帷帳トバリを掴んだ片手の白く光る指。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
その後、数日の暇を乞うて、魯粛が田舎の母に会いに行く時、孫権は、彼の老母へといって、衣服や帷帳いちょうを贈った。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
マホガニの頑丈な柱が支へた寢臺は深紅色しんくしよく緞子どんす帷帳カアテンが垂れて、部屋の中央に、幕屋のやうにすわつてゐた。
金糸でややこしい刺繍の紋章を綾取あやどった緋色の帷帳カーテンがユラユラと動いたと思うとサッと左右に開いた。その中の翡翠ひすい色の羽根布団を押除おしのけて一つの驚くべき幻影がムクと起上った。
冥土行進曲 (新字新仮名) / 夢野久作(著)