“カアテン”のいろいろな漢字の書き方と例文
ひらがな:かあてん
語句割合
窓帷33.3%
28.6%
窓掛19.0%
垂布4.8%
帷帳4.8%
掛布4.8%
垂帳4.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一等室の鶯茶うぐいすちゃがかった腰掛と、同じ色の窓帷カアテンと、そうしてその間に居睡いねむりをしている、山のような白頭の肥大漢と、——ああその堂々たる相貌に
西郷隆盛 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
厚きしとねの積れる雪と真白き上に、乱畳みだれたためる幾重いくへきぬいろどりを争ひつつ、あでなる姿をこころかずよこたはれるを、窓の日のカアテンとほして隠々ほのぼの照したる
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
そして、博士が静かに屍体を抱き上げると、モウパア警部が、その頚部くびに固く食い込んでいる窓掛カアテンの紐を解いた。
ロウモン街の自殺ホテル (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
部屋をぎるときもずつと彼女の蔭になつて、その時にはもう垂布カアテンを下ろしてある例のアアチを通つて、その向うの優雅な奧まつた方へ這入つた。
めら/\と火を吐く垂布カアテン。その焔と煙の眞中にロチスター氏は身動みうごきもせず横たはり、ぐつすりと眠つてゐるのだ。
マホガニの頑丈な柱が支へた寢臺は深紅色しんくしよく緞子どんす帷帳カアテンが垂れて、部屋の中央に、幕屋のやうにすわつてゐた。
いつも鎧戸よろひどおろしたまゝの、二つの大きな窓には、同じ色の帷帳カアテン花綵飾はなづなかざりがたるんで、半分覆うてゐた。ゆか絨毯じゆうたんも紅く、寢臺の足許の卓子テエブルにも、眞紅まつかきれが掛かつてゐた。
旦那さまが昨夜お床の中で本を讀んでゐらしたのですが蝋燭をつけたまゝ眠つておしまひになつて、掛布カアテンに火がついたのです。
彼は掛布カアテンを壁からかゝげて第二の扉を現はした、そしてこれもまた開けた。窓の無い部屋には、高い丈夫なにかこまれて火が燃えてゐた。そして鎖で天井からラムプが下つてゐた。
ルパンが眼前に閉された垂帳カアテン豁然かつぜんとして開かれた。彼が今日まで黒暗々裡に、暗中模索に捕われていた迷宮に、忽焉こつえんとして一道の光明が現れたのを覚えた。
水晶の栓 (新字新仮名) / モーリス・ルブラン(著)