“たれぎぬ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
垂衣33.3%
垂布22.2%
垂絹16.7%
棺衣16.7%
垂巾5.6%
垂帛5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
京にのぼる供は二十人くらい、虫の垂衣たれぎぬおおうた馬上の女のすがたは、遠目にも朝涼あさすずの中で清艶せいえんを極めたものであった。
左には広きひらあり。右にも同じ戸ありて寝間ねまに通じ、このぶんは緑の天鵞絨びろうど垂布たれぎぬにて覆いあり。窓にそいて左のかたに為事机あり。その手前に肱突ひじつき椅子いすあり。
わたしは昨日きのうひる少し過ぎ、あの夫婦に出会いました。その時風の吹いた拍子ひょうしに、牟子むし垂絹たれぎぬが上ったものですから、ちらりと女の顔が見えたのです。
藪の中 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
丑満の黒金雲くろがねぐも棺衣たれぎぬ七岳ななたけめぐり
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
これにたいしても、にせものの病大臣は、かごのままで、ただ轎の垂巾たれぎぬの内から、弱々しげに、手をふって、こたえて見せたのみである。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そうではあっても、几帳きちょう垂帛たれぎぬ縫開ぬいあけから手で外へかき出した髪のあまりのみごとさにしばらく鋏の手を動かすことはできなかった。
源氏物語:55 手習 (新字新仮名) / 紫式部(著)