“垂衣”の読み方と例文
読み方割合
たれぎぬ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
大正八年一月五日の黄昏時たそがれどきに私は郊外の家から牛込うしごめの奥へと来た。その一日二日の私の心には暗い垂衣たれぎぬがかかっていた。
松井須磨子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
京にのぼる供は二十人くらい、虫の垂衣たれぎぬおおうた馬上の女のすがたは、遠目にも朝涼あさすずの中で清艶せいえんを極めたものであった。
が、婆さんの行った後には、もう早立ちの旅人と見えて、とも下人げにんに荷を負わせた虫の垂衣たれぎぬの女が一人、市女笠いちめがさの下から建札を読んで居るのでございます。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)