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まうりやう
寢苦い
思ひの
息つぎに
朝戸を
出ると、あの
通り
暴れまはつたトタン
板も
屋根板も、
大地に、ひしとなつてへたばつて、
魍魎を
跳らした、ブリキ
罐、
瀬戸のかけらも
影を
散らした。
おほみそかは
大薩摩の、もの
凄くも
又可恐しき、
荒海の
暗闇のあやかしより、
山寺の
額の
魍魎に
至るまで、
霙を
錬つて
氷を
鑄つゝ、
年の
瀬に
楯を
支くと
雖も、
巖間の
水は
囁きて、
川端の
辻占に