“ごろ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ゴロ
語句割合
55.3%
26.5%
呉絽5.3%
4.0%
語呂3.5%
破落戸1.3%
0.9%
五路0.4%
0.4%
呉羅0.4%
御覧0.4%
0.4%
語路0.4%
0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
江戸川縁えどがわべりに住んでいる啓吉けいきちは、いつものように十時ごろ家を出て、東五軒町ひがしごけんちょうの停留場へ急いだ。かれは雨天の日が致命的フェータルきらいであった。
死者を嗤う (新字新仮名) / 菊池寛(著)
先達而せんだつて御寸札ならびに論語到来、其御返事先月廿日ごろいたし、大坂便にさし出候。今度御書に而は、右本御恵賜被下候由扨々忝奉存候。いよいよ珍蔵可仕候。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「それから、この赤い呉絽ごろの紙入だ、滅多にある品ぢやない。この紙入が半三の死骸の懷中にあつたのだ。中には小判で五兩」
引き出して、天水桶の水をぶっかけて、なぶごろしにも仕兼ねまじきところを、屋根の上にながめていた宇治山田の米友が
大菩薩峠:17 黒業白業の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
結局、これは「語呂ごろの論理」とでもいうべきものであろうという結論に達して、さっさと次へ読み進むことにした。
語呂の論理 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
たゞ亂暴らんぼう品川しながはへもあしくれどさわぎは其座そのざり、夜中よなかくるまばして車町くるまゝち破落戸ごろがもとをたゝきおこし、それさけかへさかなと、紙入かみいれのそこをはたきて無理むりとほすが道樂だうらくなりけり
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
はなしあひだに、輕氣球けいきゝゆうは、かのおそろしきやまもりたにと、をしき——れどいまえうなき鐵檻車てつおりぐるまとをあとにして、かぜのまに/\空中くうちう飛行ひかうして、其日そのひ午後ごゞ四十ぷんごろ吾等われらふたゝ
さはいえ五路ごろの顔役、鄭の遺族や乾分こぶんには財力もある暴力もある。また旅籠はたごの魯家からも、同時に大げさな訴えが州役署へ出されていた。当然、府尹ふいんもこれは捨ておけなかった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
願ひ奉つる私しは是まで人のものとてはちりぽんにてもぬすみしおぼえ御座なく日ごろ正直に致せしゆゑ私しの事を皆々佛吉ほとけきち渾名あだなを付るくらゐなれば少しも惡事あくじは仕つらず何卒いのちばかりは御助け下されよと泣聲なきごゑ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
また母の婚礼の時の重衣かさねや、いたことか、黄八丈とか、呉羅ごろとか、唐桟とうざんなどという古い織物の着物や帯なども教えられて見ました。
虫干し (新字新仮名) / 鷹野つぎ(著)
「心配する事があるもんですか。細工はりゅうりゅう仕上しあげ御覧ごろうじろって云うじゃありませんか」
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
新院から々と笑はせ給ひ、なんぢしらず、近ごろの世のみだれがなすわざなり。生きてありし日より魔道にこころざしをかたぶけて、四四平治へいぢみだれおこさしめ、死してなほ四五朝家てうかたたりをなす。
花とか鳥とかを附けて呼ぶ物の名もこれと同様で、かねて法則を意識していたのではないまでも、いわゆる語路ごろの悪い言葉は、忌んで採用しなかったらしいのである。
彼は手をたたいて、下女を呼んで今夜の急行列車の寝台しんだいを注文した。それから時計を出して、食事を済ましたあと、時間にどのくらい余裕があるかを見た。窮屈にれない二人はやがてごろりと横になった。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)