語呂ごろ)” の例文
いきほひ自然しぜんと言つては堅過かたすぎるが、成程なるほど江戸時代えどじだいからかんがへて見ても、湯屋ゆや与太郎よたらうとは横町よこちやうほう語呂ごろがいゝ。(十八日)
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
結局、これは「語呂ごろの論理」とでもいうべきものであろうという結論に達して、さっさと次へ読み進むことにした。
語呂の論理 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
どうじゃナ主水正、貴様も、もう年に不足はあるまい。今になってたれかれと人柱を探すより、貴様、その護摩堂の壁へはいって、主水壁……イヤどうも、これでは語呂ごろが悪い。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
江戸前の発音とアクセントには相違ないが、語呂ごろが男とも女とも付かない中途半端だ。
山羊髯編輯長 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
しかるにフランスのハイカイはなるほど三つの詩句でできているというだけは日本のに習っているが、一句の長さにはなんの制限もないし、三句の終わりの語呂ごろの関係にも頓着とんちゃくしない。
俳句の精神 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
「なんだって? よく聞きとれなかった。ふざけては、いけません。わしは、まじめに尋ねているのです。語呂ごろ合せのような、しゃれた答えかたはしないで下さい。人生は、芝居ではないのです。」
新ハムレット (新字新仮名) / 太宰治(著)
ガヴローシュはかくじいさん嬢さんと語呂ごろを重ねたのに自ら満足した。
内々直したる初心さ小春俊雄は語呂ごろが悪い蜆川しじみがわ御厄介ごやっかいにはならぬことだと同伴つれの男が頓着とんじゃくなく混ぜ返すほどなお逡巡しりごみしたるがたれか知らん異日の治兵衛はこの俊雄今宵こよい色酒いろざけ浸初しみはじ鳳雛麟児ほうすうりんじは母の胎内を
かくれんぼ (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)