ごろ)” の例文
梅「いやさ、云わんければ手前はなぶごろしにしても云わせなければならん、其の代り云いさえすれば小遣こづかいの少しぐらいは持たしてゆるしてやる」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
引き出して、天水桶の水をぶっかけて、なぶごろしにも仕兼ねまじきところを、屋根の上にながめていた宇治山田の米友が
大菩薩峠:17 黒業白業の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「おおさては汝が作左衛門か、貧乏大名の粥喰かゆくいが何ほどの腕立て、邪魔立て致す分に於いてはなぶごろしだぞ」
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その人はどこかの島にんでるんだそうですけど、なんでもその島ではキツネをみなごろしにしてしまったんで、そのため、ネズミがうんとふえてきたんですって。
御吟味下さるゝ樣御領主の役人衆やくにんしゆへ度々申立候へども更に御取上御座なく只々たゞ/\ごろしの儀を白状せよとのみ嚴しく仰聞られ其後種々さま/″\拷問がうもんに掛る事二十五度の中石を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
なぶごろしだ!」とすぐ応じた。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ああしてなぶごろしにしなければ納まらないのでございます、苦しがらせて殺さなければ、虫が納まらないというものでございましょう、全く怖ろしいものです。
大菩薩峠:18 安房の国の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
なぶごろしにした上に、嬲り梟しというものに挙げられているので、轟の源松が、あっ! と言ってそれを見直した時に、机竜之助が、淋しげに微笑を含んで言いました。
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
かわいそうに幸内は、主膳が酒乱の犠牲となって、なぶごろしにされなければ納まらないでしょう。弄り殺しにした上に、その屍骸を粉々にしなければ納まりそうにはありません。
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
醜男ぶおとこであったにも拘らず、美しいお女中を口説くどいたところが、そのお女中には別に思う男があってなびかない、それで殿様が残念がって、あの土蔵の中でなぶごろしにしてしまったという
大菩薩峠:17 黒業白業の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)