きた)” の例文
新字:
あとではむしいるまでも羞恥はぢ恐怖おそれとそれから勘次かんじはゞかることからつてきた抑制よくせいねんとがあわてゝもきらせるのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
また日木にほん經濟界けいざいかい同樣どうやうであつて、世界戰爭せかいせんさうため輸出超過ゆしゆつてうくわ正貨せいくわ流入りうにふ通貨膨脹つうくわぼうちやう物價騰貴ぶつかとうき日本にほん經濟界けいざいかい急激きふげき大膨脹だいぼうちやうきたしたが
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
後世こうせい地上ちじやうきたるべき善美ぜんびなる生活せいくわつのこと、自分じぶんをして一ぷんごとにも壓制者あつせいしや殘忍ざんにん愚鈍ぐどんいきどほらしむるところの、まど鐵格子てつがうしのことなどである。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
取りて一まとめにするゆゑ是はいかにと怪しむ跡より鹽灘しほなだへの歸り車とて一挺きたるこれ道人が一行に一足おくれてひそかに一里半の丁塲を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
『はゝゝゝゝ。きみはまだわたくし妻子さいし御存ごぞんじなかつたのでしたね。これは失敬しつけい々々。』といそがはしく呼鈴よびりんらして、いりきたつた小間使こまづかひ
前々ぜん/\より述べきたりしが如き衣服いふく飮食いんしよくを採り、竪穴に住ひ、噐具を用ゐたる人民じんみん、即ちコロボックル、の日常生活にちじようせいくわつは如何なりしか
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
實際じつさい大地震だいぢしん損害そんがいおいて、直接ちよくせつ地震動ぢしんどうよりきたるものはわづか其一小部分そのいつしようぶぶんであつて、大部分だいぶぶん火災かさいのためにしようずる損失そんしつであるといへる。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
乘組のりくんだふね帆柱ほばしらに、夕陽せきやうひかりびて、一ゆきごとたかきたとまつたはうつたとき連添つれそ民子たみこ如何いかかんじたらう。
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
さく三十七ねん十二ぐわつ某夜ばうやことなりき、れいごと灌水くわんすゐへてじよくねむりきしもなく、何者なにものきたりて七福しちふくあたふとげたりとゆめむ。
命の鍛錬 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
其後そのご雲飛うんぴ壮健さうけんにして八十九歳にたつした。我が死期しききたれりと自分で葬儀さうぎ仕度したくなどをとゝの遺言ゆゐごんして石をくわんおさむることをめいじた。
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
甚兵衞聞出しければ彼が留守るすへ忍び入て物せんと茲に惡心あくしんを生じ旦暮あけくれ道庵だうあんたくの樣子をうかゞ或夜あるよ戌刻頃いつゝごろきたりて見れば表は錠前ぢやうまへ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
荷物にもつといふは大八だいはちたゞひとくるまきたりしばかり、兩隣りやうどなりにおさだめの土産みやげくばりけれども、いへうち引越ひつこしらしきさわぎもなく至極しごく寂寞ひつそりとせしものなり。
うつせみ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
だから勾配は川より低いにきまつて居る。然るに洪水の時は、其の出水をきたさせまいと云ふ。これ既に六づかしい註文である。
兵馬倥偬の人 (旧字旧仮名) / 塚原渋柿園塚原蓼洲(著)
聲なき此れ等の書物によつて世界の新思想は、丁度牢獄の中に何處いづこからとも知れず、きたる日光のやうに、若い吾々の頭に沁込んで來るのだ。
新帰朝者日記 (旧字旧仮名) / 永井荷風(著)
われらを愛する者、人誰か愛せざらむ、わが心、救世主すくひぬしを見て、躍り喜ぶ。もろ/\の信者たちきたれ、われらが爲に生れ出で給ふこの幼兒をさなごたつとうやまはむ。
頌歌 (旧字旧仮名) / ポール・クローデル(著)
みづかとうじ、みづかくわり、みづか其破片そのはへんをツギあはせて、しかうへ研究けんきうみづからもし、きたつて研究けんきうする材料ざいれうにもきやうするにあらざれば——駄目だめだ。
また此短針このたんしんと十とのあひだ半過なかばすぎて十はう近寄ちかより、長針ちやうしんすゝんで八ところきたればこれを十まへ二十分時ぶんじと云ふ。
改暦弁 (旧字旧仮名) / 福沢諭吉(著)
そして其後そのご現在げんざいいたるまで、本統ほんたうのコスモポリニズムはわたし心中しんちうそうそう徹底てつていきたつてゐるのである。
いな、近在よりきたれる農夫多し。町にても下等社會にはまじはりて踊るものあれど、中以上はこれを敢てするものなし』
秋の岐蘇路 (旧字旧仮名) / 田山花袋(著)
此頃このごろ室中しつちゆうきたつて、うも妄想まうざうおこつて不可いけないなどうつたへるものがあるが」ときふ入室者にふしつしや不熱心ふねつしんいましめしたので、宗助そうすけおぼえずぎくりとした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
いてかゝる。ベンヺーリオー餘義よぎなく敵手あひてになる。この途端とたん兩家りゃうけ關係者くわんけいじゃ双方さうはうよりきたり、入亂いりみだれてたゝかふ。市民しみんおよ警吏長等けいりちゃうら棍棒クラッブたづさへてきたる。
眞志屋文書を見るに及んで、わたくしは落胤問題と八百屋お七の事とがともに島、其岳父、其夫の三人の上にあつまきたるのに驚いた。わたくしは三人と云つた。
寿阿弥の手紙 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
良々意氣を揚げきたつて、彼はじつと考へ込む。是れ、久しい間、彼が頭の中に籠つた大問題である。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
伊豆いづ修禪寺しゆぜんじ頼家よりいへおもてといふあり。作人さくにんも知れず。由來もしれず。木彫の假面めんにて、年を經たるまゝ面目分明ならねど、所謂いはゆる古色蒼然たるもの、きたつて一種の詩趣をおぼゆ。
修禅寺物語 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
たねとか——きたれば山程やまほどある——おまへ其麽そんなものかれたのをたことがあるか?
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
この恨み、はたさるべき日はつひきたりぬ。こぞの秋、われ思はずも病にかゝりて東海のほとりにさすらひ、こゝに身を清見潟の山水に寄せて、晴夜せいやの鐘に多年のおもひをのべむとす。
清見寺の鐘声 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
和布賣わかめうりの越後の女三々五々群をなしてきたる呼びて窓に倚りて海の藻を買ふぞゆかしき
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
つまり人間のありきたりの心的葛藤かつとうや、因果關係の紛糾に、ピストルだの短刀だのと單純に含ませた古い型の探偵小説では、一面に科學知識の可成かなり深くなつてゐる私達には物足りない。
探偵小説の魅力 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
若葉風揉みきたる見ればおそらくは田にはかはづの眼も光るらし
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
當來のいのちよ、眠れるわれをさまさむとしてきたるはなれか。
(旧字旧仮名) / アダ・ネグリ(著)
あゝあゝ悲し、アカイヤの族に大難きた
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
今は亡きめつき、今にきたるべきめつき
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
かの海風かいふうは 鰯雲は高くきたるかな……
一点鐘 (旧字旧仮名) / 三好達治(著)
眼界がんがいはてしなき大洋おほうなばらうへにぞきたりける
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
寄せきたるひゞき怖ろし鳴雷なるかみ
北村透谷詩集 (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
けてきたれとのたまへど
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
山の動く日きたる。
そぞろごと (旧字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
あだ人きた
持ちきたりぬ
きその日は (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
北八きたはちは、にやり/\、中流ちうりういたころほ一錢蒸汽いつせんじようき餘波よはきたる、ぴツたり突伏つツぷしてしまふ。あぶねえといふは船頭せんどうこゑ、ヒヤアときもひやす。
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
それが睡眠中すゐみんちう身體からだきやうで一變調へんてうきたしたのだかどうだかわからないにもかゝはらず、かれたゞ病氣びやうきゆゑだとめてしまつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
五、 屋外おくがいおいては屋根瓦やねがはらかべ墜落ついらいあるひ石垣いしがき煉瓦塀れんがべい煙突えんとつとう倒潰とうかいきたおそれある區域くいきからとほざかること。とく石燈籠いしどうろう近寄ちかよらざること。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
如何いかにせんと此時また忽然と鶴的鞍にひて歩みきたる見れば馬のくつを十足ほどの竹杖にくゝし付けて肩にしたり我馬士わがまご問ふて曰く鶴さん大層くつ
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
大佐たいさきた! 大佐たいさきたる! 櫻木大佐さくらぎたいさ電光艇でんくわうていきたる※。』とさけひゞき砲聲ほうせい絶間たえま全艦ぜんかんわたると、軍艦ぐんかん」の士官しくわん水兵すいへい一時いちじ動搖どよめき。
知られる樣になる斯の如くして馴染なじみが出來るとくづを買求かひもとめらるゝなりさうさへすると先々で何時いつものくづ屋さんがきたから最早申刻なゝつどきならん夕膳ゆふぜんの支度を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
痴人ちじんゆめく、されどゆめみづかさとるはかならずしも痴人ちじんにあらざるし。現今げんこんおいても、未來みらいおいても、七福しちふくきたきをしんずるあたはず。
命の鍛錬 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
諸外國しよぐわいこく事情じじやうこと/″\あたまなかれてかんがへなければならぬのであつて、もつと見通みとほしのにくいものである。それでつね商賣人しやうばいにんるゐきたすものである。
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
と、かれおもきたり、さらまたの六號室がうしつ鐵格子てつがうしなかで、ニキタが患者等くわんじやら打毆なぐつてゐること、モイセイカがまちつては、ほどこしふてゐる姿すがたなどをおもす。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
其の人聲の中には少しの遠慮もない甲高かんだかな女の笑聲わらひごゑも聞えて、いかにも自由に、樂しく、心置きなく見えながら、其れで居て些かのかしましい亂雜をもきたさない。
新帰朝者日記 (旧字旧仮名) / 永井荷風(著)
サンプソンとエブラハムとけんいてたゝかふ。ベンヺーリオーこのていきたり、けんき、ってはひる。