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善美
後世地上に
來るべき
善美なる
生活のこと、
自分をして一
分毎にも
壓制者の
殘忍、
愚鈍を
憤らしむる
所の、
窓の
鐵格子のことなどである。
(
否とよ。牢獄の闇にも、陽は
映したではないか。正大な天道の下には、この世ほど
潔く気高い所はなく、人間程
崇厳善美なものはないのだ)
君御用の
品なれば
費用は
構はず
急ぎ
造りて
參らすべしと
命じてより
七日を
經て
出來しけるを、
御居室の
縁に
舁据ゑたるが、
善美を
盡して、
眼を
驚かすばかりなりけり。