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ぜんび
君御用の
品なれば
費用は
構はず
急ぎ
造りて
參らすべしと
命じてより
七日を
經て
出來しけるを、
御居室の
縁に
舁据ゑたるが、
善美を
盡して、
眼を
驚かすばかりなりけり。
然らば
善美とは
何であるかと
反問するであらう。
夫は
食に
關して
述べた
所と
同工異曲で、
建築に
當てはめて
云へば、
善とは
科學的條件の
具足で
美とは
藝術的條件の
具足である。
御徒町の
腹切と人の噂を聞きまして、愚作なれど一冊のお話に
纏めました、松と藤のお話でございますが、先ずこれで
全尾でございます。