“こちょう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
胡蝶52.6%
誇張21.1%
蝴蝶11.8%
小蝶3.9%
戸帳2.6%
虚張1.3%
古牒1.3%
孤帳1.3%
孤蝶1.3%
戸長1.3%
鼓脹1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それは胡蝶こちょう装の本で、よく読まれたのであろう、かなり手ずれているし、歌のところどころに、薄墨の細筆で書き入れがあった。
古今集巻之五 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
わたしの、ちょっとした愚行を、利江が長い間かかって誇張こちょうして吹き込んだと見えて今まではわたしを憎んでさえいるそうです。
キャラコさん:08 月光曲 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
ふと花壇のほとりを見やると、白い蝴蝶こちょうがすがれた花壇に咲いた最初の花を探しあてたところである。そしてその蝴蝶も今年になって初めて見た蝴蝶である。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
君も知ってるだろうが、自転車を買ってね、遠乗とおのりをするんだとかなんとか言って、毎日のように出かけて行くよ。東京から来た小蝶こちょうとかいう女で、写真を大事にして持っていたよ。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
その後、公卿くげたちは、戸帳こちょうを作り、住民の数を詮議せんぎし、同時に年号も
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
予はかかる仏家の宿命通説のような曖昧な論よりは、竜は今日も多少実在する鱷等の虚張こちょう談に、蛇崇拝の余波や竜巻地陥り等諸天象地妖に対する恐怖や
いずれも竜巻を虚張こちょうしたのだ。
奈良般若寺の古牒こちょうによると、慶長七年三月十三日の買い入れで、厨事ちゅうじ以下行米三石六斗の代価七貫百三十二文、上酒一斗二百十八文、下酒二斗三升で二百十七文とあるが
酒渇記 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
誰憐孤帳寒檠下 誰かあわれまん孤帳こちょう寒檠かんけいもと
西瓜 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
同君歿後ぼつごに、馬場孤蝶こちょう君は交遊の日のことを追想して、こんなに亡くなった後になってよく思い出すところを見ると、やはりあの男には人と異なったところがあったと見えると言われたのも同感だ。
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
某村の戸長こちょうは野菜一車ひとくるまを優善に献じたいといって持って来た。優善は「おれ賄賂わいろは取らぬぞ」といってしりぞけた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
水腫は一に鼓脹こちょうともいうところから、破れた太鼓の皮を服用すればたちどころにその病気を克服できるという理窟りくつらしい。
惜別 (新字新仮名) / 太宰治(著)