“誇張”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
こちょう59.3%
こちやう14.8%
こてう7.4%
くわちやう7.4%
こちよう3.7%
みてくれ3.7%
イペルボール3.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そうして都会にいたころの私はあんまり自分のぼんやりした不幸を誇張こちょうし過ぎて考えていたのではないかと疑い出したほどだった。
美しい村 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
斯樣かやうに、墮落だらく方面はうめんをとくに誇張こちやうした冒險者アドヹンチユアラーあたまなかこしらあげ宗助そうすけは、その責任せきにん自身じしん一人ひとりまつたはなければならないやうがした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
この偉大ゐだいちから分解ぶんかいしてると。一ぽうには非常ひぜう誇張こてうと、一ぽうには非常ひぜう省略しやうりやくがある。で、これより各論かくろんつて化物ばけもの表現へうげんすなは形式けいしきろんずる順序じゆんじよであるか、いまそのひまがない。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
二人はいつものやうな誇張くわちやうした自慢話をしてゐる。マスコフキナは毛皮に深く身を埋めて動かずに坐つてゐる。そして心のうちではこんな事を思つてゐる。
文學上ぶんがくじよう一種いつしゆ誇張こちようといふもので、いくらかをかけてかんふかくいひあらはすのが、文學ぶんがくのほんとうの爲方しかただと、いまですらもかんがへてゐる學者がくしや文學者ぶんがくしやおほいのですから、これくらゐのことは
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
人の気を悪くするような誇張みてくれをやりたがるのが、この男の性分で、そこここと馬を引廻して、碌々ろくろく観相みようわきまえない者が「そいッたっても、まあ良い馬だいなあ」とでもめようものなら
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
その男は、毎夜海から上がって来て、あの防堤のあたりを彷徨さまよい歩くのです。ですが夫人おくさん、けっして僕は幻影を見ているのじゃありませんよ。それには、暗喩メタフォル誇張イペルボールもありません。
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)