“麦畠”の読み方と例文
旧字:麥畠
読み方割合
むぎばたけ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「不景気なことを言ってらあ。麦畠むぎばたけの中へひっくりかえって、青天井で寝た処で、天窓あたまが一つ重くなるようなんじゃあないよ、鍛えてあらあな。」と昂然こうぜんたり。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その下が麦畠むぎばたけで、麦畠の向うがまた岡続きに高く蜿蜒うねうねしているので、北側のながめはことに晴々はればれしかった。須永すながはこの空地のはしに立って広い眼界をぼんやり見渡していた。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ひる近く、ようやく、はるか前方の真青まっさお麦畠むぎばたけの中の道に一団の人影が見えた。その中で特に際立って丈の高い孔子の姿を認め得た時、子路は突然とつぜん、何か胸をめ付けられるような苦しさを感じた。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)